愛犬がずっと寝てる、そしてご飯も食べない、元気がないとき、飼い主はどうすればいいのでしょうか?
この記事では、犬が長時間ずっと寝てる理由と対処法を詳しく解説します。
また、犬が昼間もずっと寝てる場合の注意点などもご紹介します。
目次
1. はじめに
1.1 犬にとって寝るとは
犬がずっと寝てるのを見ると、心配になることがありますね。
特に、ご飯を食べないとか、昼間も元気がないときは特にそうです。
「いつも寝てるけど大丈夫かな?」って疑問が生じるのは自然なことかもしれません。
実は、犬は1日の約半分、つまり12時間から15時間寝ることが普通です。
犬種や年齢によって違いはありますが、犬はたくさん寝る動物です。
しかも起きている時間のうち、30%はリラックスしていて、実際に活動しているのは20%くらいと言われています。
犬の睡眠も私達人間と同じように、レム睡眠とノンレム睡眠があります。
レム睡眠は、脳が活発に働いて、記憶を整理している状態です。
ノンレム睡眠は、脳を休めて疲労を回復する状態のときです。
人間の場合は、寝ると最初はノンレム睡眠で深い眠りに入ります。
それから1時間くらいで浅い眠りのレム睡眠に移行します。
このサイクルを約90分ごとに一晩で3~5回繰り返します。
しかし、犬は人間と違って睡眠パターンが不規則です。
犬のサイクルは約10分で、レム睡眠の時間は全体の10%しかありません。
そのため、犬は十分なレム睡眠を取るために、より多くの睡眠時間が必要となっていると考えられています。
参考:AMERICAN KENNEL CLUB:Should I Let My Dog Sleep Late Every Day?
2. 犬の睡眠時間について
2.1 犬の犬種による違い
犬は種類によって睡眠時間が違うのでしょうか?
特に大型犬は小型犬よりも長く寝ることが多いです。
また、短頭種の犬、例えばフレンチ・ブルドッグも睡眠時間が長い傾向があります。
代表的な幾つかの犬種の睡眠時間をご紹介しておきます。
【トイプードル】
トイプードルの睡眠時間は平均で13~15時間です。
トイプードルは活発な性格で、その活動的な性質が長い睡眠時間につながるかもしれません。
狩猟犬のルーツがあるので、エネルギッシュといえます。
【ダックスフンド】
ダックスフンドは11〜15時間睡眠を取ります。
ダックスフンドも狩猟犬としての歴史があり、活発な性格なので、しっかり睡眠が必要です。
【チワワ】
チワワは平均で約10時間の睡眠をとります。
超小型で、他の犬種より体力の消耗が少ないので、睡眠時間も短めです。
運動量も少ないのが、短い睡眠時間に影響しています。
【柴犬】
柴犬の睡眠時間は平均で11~13時間です。
柴犬は音に敏感で、少しの物音で起きやすいです。だから、眠りが浅いと言われています。
【ゴールデン・レトリーバー】
ゴールデン・レトリーバーは、平均18〜20時間寝ます。
大型犬は小型犬より睡眠時間が長いことが多く、体力の消耗が大きいからたくさん休む必要があります。
ゴールデン・レトリーバーは活発な性格もあって、動き回るために多くの睡眠が必要です。
2.2 犬の年齢による違い
犬の年齢によって、睡眠の必要性は大きく変わります。
犬の年齢別の睡眠時間については、以下のようにまとめられます
【幼少期(生まれてから1歳まで)】
この時期の犬は約18~19時間寝ます。
幼い犬は運動量が多く、エネルギーをたくさん使うので、たくさんの睡眠が必要です。
【成犬期(1~7歳)】
成犬期の犬は、睡眠時間が約12~15時間です。
この時期は体力と精神が最も充実しているので、睡眠時間は他の時期に比べて短めです。
しかし、大型犬は少し長めの睡眠が必要です。
【シニア期(8歳以上)】
シニア期の犬の睡眠時間は約18~19時間です。
年をとると体力が落ちて、疲れやすくなるので、長い睡眠が必要になります。
この時期は静かに過ごす時間が増えます。
3. なぜ犬は昼もずっと寝てるのか?
3.1 犬の睡眠のとり方の特徴
犬の睡眠の特徴は、なんといっても睡眠を一気に取るのではなく、少しづつ睡眠をとることにあります。
レム睡眠とノンレム睡眠を繰り返す点は犬も人間と同じですが、この間隔も約10分程度と人間とは大きな違いがあります。
これは犬が昔からの野生の本能で、外敵から身を守るためだと言われています。
飼い主からすると、犬がずっと寝てると心配になることもあるでしょう。
でも、犬はずっと寝てるように見えても、実は意外と起きている時間もあるんですよ。
3.2 犬の寝る姿勢の特徴
犬がどのような姿勢で寝るかは、その気持ちや眠りの深さを教えてくれます。
ここでは、犬の寝る姿勢の特徴について詳しく見ていきましょう。
【仰向けで寝る(へそ天)】
この姿勢は、犬が安心してリラックスしている状態を表します。
お腹を無防備にさらしているのは、警戒心がほとんどないという意味です。
でも、暑さを感じている時にもこの姿勢を取ることがあります。
だから、室温や犬の呼吸を見て、リラックスしているのか、暑いのかを確かめることが大切です。
【横向きで寝る】
横向きで寝てるのは、犬がリラックスして深く眠っている証拠です。
飼い主や家に安心しているということです。
ただし、これも「へそ天」と同じく、暑い時に取る姿勢かもしれません。
【うつ伏せで寝る】
うつ伏せで寝るのは、すぐに立ち上がれる姿勢です。
ウトウトしている時や、ちょっと休んでいる時によく見られます。
新しい家に来たばかりの犬や保護犬は、最初はこの姿勢でよく寝ます。
リラックスするまで、根気よく接してあげましょう。
【丸くなって寝る】
これは一般的な寝方で、身体を丸めて大事な部分を守ります。
体の熱を保つのにも効果的です。
手足を体の中に隠して震えている時は、寒がっているか、怖がっている可能性があります。
4. 病気?犬がずっと寝ていてご飯を食べない・元気がない
4.1 ずっと寝てる時間がいつもより長い時・短い時は?
犬がいつもよりずっと寝てる時、心配になることがありますね。
でも、ほとんどの場合は大丈夫です。
前日に睡眠不足だったり、たくさん運動して疲れていることもあるからです。
しかし、1日中ずっと寝てるなど明らかに長すぎる睡眠である場合には、念のため獣医師に相談した方がいいです。
病気の可能性もあるので、呼吸や行動の変化にも注意してください。
逆に、犬がいつもより寝る時間が短い時もあります。
一番考えられるのは、安心して眠れる環境ではないことです。
寝床が変わったり、近くで工事があったり、家族の構成が変わったりすると、犬は睡眠時間が短くなりがちです。
愛犬の睡眠時間が短くなったと感じたら、まずは安心できる環境を整えてあげましょう。
他にも留守番中によく寝る犬は、一緒にいる時にあまり寝ないこともあります。
また、認知症があるシニア犬は、昼間寝て夜に起きる「昼夜逆転」の症状が出ることも。
昼間に十分寝てるから大丈夫ですが、夜に飼い主を起こすので、犬の睡眠時間が短いと感じることもあるでしょう。
4.2 ずっと寝ていてご飯を食べない・元気がない
愛犬はただ疲れているだけで、ずっと寝ていたりご飯を食べなかったりすることは、あります。
老化によって活動量や食欲が減ることもありますし、ストレスや食事内容の変更が原因の場合もあります。
一時的に食欲がない時や、犬がストレスを感じているような時は、少し様子を見る選択もありますが、心配なら念のため獣医師に相談するのがいいでしょう。
また、ワクチン接種後に元気がなくなることもあります。
これは病院や注射が嫌いな犬にとってのストレスかもしれませんが、ワクチンの副反応で体調を崩している可能性もあるので、獣医師に見せることが大切です。
しかし、元気がない状態が続いたり、食欲がだんだん落ちていったりする時は、病気の可能性もあります。
特に「水を飲まない」時は脱水の危険もあるので、早めに動物病院に連れて行くべきです。
他にもウイルスや細菌の感染症、胃腸の問題、怪我や関節炎、皮膚炎など、様々な原因で犬がずっと寝ていてご飯を食べない・元気がない状態になることもあります。
ずっと寝ていてご飯を食べない・元気がない状態の時には、やはり獣医師に連れて行くことをお勧めします。
5. まとめ
愛犬がずっと寝てることは、私たち人間とはちょっと違うので、心配になるかもしれませんね。
普通、犬は一日の半分くらいを寝て過ごします。
人間と比べると、レム睡眠とノンレム睡眠のサイクルが短く、犬の睡眠は種類や年齢によって、どれくらい寝るかが違います。
たとえば、トイプードルやダックスフンドなど活発な犬種は長く寝ることが多いですが、小さなチワワは短い睡眠時間で済む傾向にあります。
また、幼少期やシニア期の犬は成犬期よりも多くの睡眠を必要とします。
犬がどんな姿勢で寝てるかも大事です。
お腹を上にして寝る「へそ天」は、リラックスしているときによくします。
身体を丸めて寝るのは、身を守るためです。
しかし、犬がご飯を食べなかったり、元気がなかったりするときは、体調が悪いサインかもしれません。
このように、犬がただ休んでずっと寝てるのか、何か体に問題があるのか、色々な意味があります。
ただずっと寝てるだけでしたら問題になることはありません!
しかし特に「ご飯を食べない」「元気がない」という状態があれば、犬の体に何か問題があるかもしれません。そんなときは、動物病院に行って先生に相談するようにしましょう!
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