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犬は雑食?それとも肉食?

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記事を書いた人:PetFriends.jp店長 篠本

ペットフード販売士

1. はじめに

犬が肉を食べることは良く知られていますが、肉だけを食べる肉食なのでしょうか?

それとも雑食で肉も食べるということなのでしょうか?


それは、犬の祖先から紐解いていくと分かることもあります。


また、犬と同じように飼っている動物として猫がいます。

犬にドッグフードではなくキャットフードを与えることはどうなのでしょうか?


この記事では、犬が雑食なのか?肉食なのか?

犬の祖先や消化器官の構造から解説していきます。

1-1. 犬は雑食

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犬の祖先にあたるのはオオカミやコヨーテと言われています。


オオカミは馬や鹿などを獲物にして捕食し、中でも内臓を好んで食します。

内臓には一部消化された植物が含まれているため、それらもオオカミにとって大切な栄養となっています。

コヨーテは死肉を食べることで有名ですが、鳥類や小型の哺乳類、両生類なども捕食します。


このように聞くと肉食と思うかもしれませんが、肉以外にも果物やベリー類、キノコなど植物類も食べる雑食であることが分かっています。


そのため、犬の消化器官も人間とほぼ同じ雑食に向いている消化器官となっています

1-2. 肉食動物と雑食動物の違い

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犬が雑食であることはわかりました。

それでは、肉食動物との違いは何でしょうか?


肉食動物と雑食動物の主な違いは、消化システムの構造にあります。

肉食動物は主に肉を食べ、雑食動物は肉と植物を食べます。


私達の最も身近な肉食動物は猫です。

猫の祖先はヤマネコであり、家畜化された後も消化システムは、肉を効率的に消化するように進化しています。

猫など肉食動物は、雑食である犬とは異なる消化器官の特徴を持っています。


最も大きな違いは、腸管の長さと体長の比率です。

特に大腸の部分で、犬は発達した盲腸・大腸を持っており、一部の繊維を分解する微生物が生育しています

そのため雑食動物は、植物と肉の両方を消化する能力を持っています。


一方の肉食動物である猫は、消化管の長さが約4倍程度で短く、また盲腸がほとんど存在しないために植物性の食べ物に含まれている食物繊維を上手く利用することが出来ません。

2.犬の消化システムの構造

2-1. 歯と咀嚼(そしゃく)

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消化は噛むことから始まるために、歯も重要な消化に関わる器官の一つと言えます。


ただ、「愛犬があまり噛まずに飲み込んでしまう」

こんなことありませんか?


犬の歯は食べ物を裂くことに特化している切歯、食べ物をしっかりくわえるための犬歯と前臼歯、食べ物を噛み砕く後臼歯の計42本から成り立っています。


参考URL:Dog Dental Care: How Many Teeth Do Dogs Have? 


食べ物を噛み砕く後臼歯がありますが、これは硬いものを噛み砕いてある程度の大きさにするためのもの。

実は犬は食べ物をあまり咀嚼せずに噛み切って飲み込んでしまう動物です。

2-2. 消化酵素と腸の役割

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消化酵素と聞くと、腸の中をイメージされる方が多いかと思います。

しかし、もっとも早く食べ物に対してアプローチできる消化酵素があります。

それは唾液です。


人間の唾液に含まれている「アミラーゼ」という酵素は、デンプンの分解をサポートしてくれます。

そのため食事をするうえで、よく噛むことが欠かせません。


しかし、犬の唾液にはデンプン分解酵素の「アミラーゼ」が含まれていません。

そのため、犬にとってよく噛む必要性が人間より低いということとなります。

犬が良く噛まずに飲み込んでしまうのも、よく噛む必要性が低いからと言えます。


その代わり、犬にとっての唾液は、蒸発させることで体熱を放出する効果があります。

これは人間にとっての発汗と同じくらいの体温調整効果があると言われています。


参考:イラストで見る犬学


犬の消化システムでは、胃液・膵液・腸液の作用によって、デンプンはブドウ糖、タンパク質はアミノ酸、脂肪はグリセリンと脂肪酸など、単純な分子に分解されます。


そして直ぐに吸収が始まります。

主には小腸で吸収され、水と一部の塩類は大腸で吸収されます。


また、犬の盲腸・大腸には一部の繊維を分解する微生物が生育しています。

この微生物は腸内の常在菌などの作用によって活性化されますが、常在菌などの栄養となるのが食物繊維です。

消化器官が食物繊維を必要とする構造を持つ以上、犬には肉だけではなく、植物性の食べ物も与える必要があります

3. 犬が食事の時に気を付けること

3-1. 犬が食べてはいけない食べ物

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犬にとって危険でNGな食べ物はいくつかあります。


代表的な物であれば、チョコレート、アボカド、ぶどう、レーズン、玉ねぎ、にんにくなどは犬にとって有害であり、中毒を引き起こす可能性があります。


これらの食べ物は犬の消化システムに対して非常に強い毒性を持ち、重篤な健康問題を引き起こす可能性があるため、与えないように注意が必要です。


参考URL: 犬にとってNGな食べ物とは - 危険な食材とその理由を徹底解説

3-2. 食事バランス

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犬の健康を保つためには、適切なバランスの取れた食事が重要です。


犬用の食事は、タンパク質、脂肪、炭水化物(糖質・食物繊維)、ビタミン、ミネラル、水を適切なバランスで提供する必要があります。

そのため、最もこれらを考慮した食事がドッグフードとなります。


ドッグフードにも色々な種類があるのですが、最もバランスよく配合されているのが総合栄養食となります。


ただし、病気を抱えている犬などは療養食タイプを選ぶ必要がある場合もあります。


愛犬に合わせたドッグフードを選ぶようにしましょう!


参考URL: ドッグフードの種類は何がある?それぞれのタイプの特徴を解説

参考URL: ドッグフードの正しい保存方法 - 鮮度を保ち栄養価を維持する方法を徹底解説

3-3. 犬にキャットフードを与えても大丈夫なのか?

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結論から言うと、食べれなくはないがお勧めは出来ません


これまでも言ってきたように、犬は雑食、猫は肉食です。


キャットフードは当然猫の特定の栄養ニーズを満たすように設計されており、ドッグフードより脂肪やタンパク質が多く含まれています。

また猫は味よりも匂いを好むために、キャットフードは美味しそうな匂いがする場合が多いため、キャットフードがあると食べてしまう犬もいます。


しかし、キャットフードの高いタンパク質と脂肪は、犬にとっては過剰になる可能性があります。

また、犬にとって必要な植物性の栄養素などを摂取することも出来ません。


そのため、犬にはドッグフードを与えましょう!


参考URL: Can Dogs Eat Cat Food?

4. まとめ

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この記事では、「犬は雑食?それとも肉食?」という疑問に対して詳しく解説しました。


犬の消化器官は、肉だけでなく植物性の食べ物も消化する能力を持っている雑食であることをご理解いただけたのではないでしょうか。


また、犬が食事の際に気を付けるべき点として、犬が食べてはいけない食べ物や食事バランスの重要性、そして犬にキャットフードを与えることについても説明しました。


ドッグフードとキャットフードは意図があって分かれています。

犬にはドッグフードを与えるようにしましょう。

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