犬のものもらいとは?症状・原因・自然治癒・病院へ行く目安を解説

犬のものもらいとは?症状・原因・自然治癒・病院へ行く目安を解説

記事を書いた人:PetFriends.jp店長 篠本

ペットフード販売士

愛犬のまぶたに赤い腫れや小さなしこりを見つけると、「これってものもらい?」「自然に治るのかな?」と不安になりますよね。

結論から言うと、犬のものもらいは、まぶたにあるマイボーム腺の炎症や詰まりが関係していることが多く、見た目だけで原因を判断するのは難しい症状です。

この記事の結論

犬のものもらいは、麦粒腫・霰粒腫・マイボーム腺腫などが関係していることがあります。自然治癒を待つより、赤み・腫れ・目やに・痛み・しこりがある場合は、早めに動物病院で確認してもらうのが安心です。

目次

1. はじめに

1-1. 犬のものもらいとは?

犬のものもらいとは、まぶたの縁やまぶたの内側に赤い腫れ・しこり・できものが見られる状態を、飼い主さんが分かりやすく表現した呼び方です。

医学的には、マイボーム腺炎、麦粒腫、霰粒腫、マイボーム腺腫などが関係していることがあります。

マイボーム腺とは、まぶたの近くにあり、涙の油分に関わる大切な部分です。この部分に細菌感染が起きたり、分泌物が詰まったりすると、まぶたに腫れやしこりが出ることがあります。

「小さなできものだから大丈夫」と思いたくなるかもしれませんが、犬は違和感があると前足で目をこすったり、床や家具に顔をこすりつけたりすることがあります。

その結果、目の表面を傷つけてしまうこともあるため、早めに状態を確認してあげることが大切です。

1-2. 人間のものもらいと同じなの?

犬のものもらいは、人間のものもらいに似た見た目をすることがありますが、犬の場合は似た症状の病気が複数あります。

特に注意したいのは、「ものもらいだと思っていたら、実はマイボーム腺腫という腫瘍性のできものだった」というケースです。

マイボーム腺腫は良性のこともありますが、大きくなると角膜に当たって痛みや炎症の原因になることがあります。

そのため、犬のまぶたにできものを見つけた時は、人間のものもらいと同じ感覚で市販薬を使うのではなく、まずは動物病院で見てもらうのが安心です。

2. 犬のものもらいで見られる症状

2-1. まぶたの腫れ・赤み・しこり

犬のものもらいで多い症状は、まぶたの赤み、腫れ、小さなしこり、ニキビのようなできものです。

麦粒腫の場合は、急に赤く腫れたり、痛がったり、膿のように見えることがあります。

霰粒腫の場合は、ゆっくりしこりのように大きくなり、痛みが少ないこともあります。

毎日じっくり見る必要はありませんが、抱っこした時、ブラッシングの時、写真を撮る時などに、目元の左右差を見てあげると変化に気づきやすくなります。

2-2. 目やに・涙・目をこする行動

犬のものもらいでは、目やにや涙が増える、目を細める、まばたきが増える、前足で目をこするなどの行動が見られることがあります。

特に、黄色っぽい目やに、緑っぽい目やに、目を開けづらそうにしている様子がある場合は、早めに動物病院へ相談したいサインです。

犬は「目が痛い」「ゴロゴロする」と言葉で伝えることができません。その代わりに、目をこする、顔を床にこすりつける、片目だけ細める、まぶしそうにするなどの行動で不快感を見せることがあります。

犬のしぐさや表情の変化を知っておくと、目元の異変にも気づきやすくなります。犬の視線の意味については、こちらの記事も参考になります。愛犬がずっと見てくる。その時、何を感じているのか?

3. 犬のものもらいと似ている病気

3-1. 麦粒腫・霰粒腫・マイボーム腺腫の違い

犬のまぶたのできものは、見た目が似ていても原因が違うことがあります。

種類 主な原因 見た目・症状 受診の目安
麦粒腫 細菌感染 急に赤く腫れる、痛がる、膿が出ることがある 早めに受診
霰粒腫 マイボーム腺の詰まり しこり状、ゆっくり大きくなる、痛みが少ないこともある 大きくなる前に相談
マイボーム腺腫 マイボーム腺の腫瘍性変化 イボのようなできもの、シニア犬に多い 角膜に当たる前に受診

この3つは治療方法が異なるため、飼い主さんが見た目だけで判断するのは難しいです。

3-2. チェリーアイや結膜炎との違い

犬の目元に赤いふくらみがある場合、ものもらい以外にチェリーアイや結膜炎の可能性もあります。

チェリーアイは、目頭の内側に赤い丸いふくらみが見えることが多い病気です。

結膜炎では、白目やまぶたの内側が赤くなり、涙や目やにが増えることがあります。

どちらも「目が赤い」「涙が増える」という見た目が似ているため、自己判断はしにくいです。

4. 自然治癒・うつる可能性・受診目安

4-1. 犬のものもらいは自然に治る?

犬のものもらいは、自然に治るのを待つより、早めに動物病院で原因を確認するほうが安心です。

軽く見える腫れでも、細菌感染、マイボーム腺の詰まり、腫瘍性のできものなど、原因によって対応が変わります。

  • まぶたが赤く腫れている
  • しこりが大きくなっている
  • 目やにや涙が増えている
  • 犬が目をこすっている
  • 片目だけ細めている
  • 目が開けにくそう
  • 出血や膿のようなものがある

4-2. 人や他の犬にうつる?

犬のものもらいは、基本的に人や他の犬へ簡単にうつるものではないと考えられています。

ただし、目やにや分泌物に触れた後は、手を洗うようにしましょう。多頭飼いの場合は、タオルやガーゼを共有しないほうが安心です。

4-3. すぐ病院へ行きたいサイン

犬の目の症状は、進行が早いことがあります。目を強くこする、目を閉じたままにする、急に腫れる、目の表面が白っぽい、強い痛みがありそうな時は、早めの受診がおすすめです。

  • 目を開けられない
  • 片目だけ強くしょぼしょぼする
  • 黄色や緑色の目やにが出る
  • 目の表面が白く濁って見える
  • まぶたの腫れが急に大きくなった
  • 犬が痛そうに鳴く、震える、触られるのを嫌がる
  • 目をこすり続けている

犬の不快サインは、あくび、目を細める、落ち着かない、顔をそむけるなどに出ることもあります。行動の変化を見たい方は、こちらの記事も参考にしてください。犬のあくびにはどんな意味が?ストレスサインから病気の兆候まで解説

5. 治療法と自宅でできるケア

5-1. 動物病院で行われる治療

犬のものもらいの治療は、原因によって変わります。

麦粒腫のように細菌感染が疑われる場合は、抗菌薬の点眼薬、眼軟膏、内服薬などが使われることがあります。

霰粒腫のようにマイボーム腺の詰まりが関係している場合は、温めるケアや点眼、状態によっては詰まりを取り除く処置が検討されることがあります。

マイボーム腺腫のような腫瘍性のできものの場合は、大きさや場所、角膜への刺激の有無によって、経過観察や切除が検討されることがあります。

5-2. 自宅でしてよいケア・してはいけないこと

自宅では、目元を清潔に保ち、犬が目をこすらないようにすることが大切です。

軽い目やにを拭く時は、清潔なガーゼやコットンをぬるま湯で湿らせ、強くこすらずにやさしく拭き取ります。

片目ずつ新しい面を使い、左右の目で同じガーゼを使い回さないようにしましょう。

  • 人間用の目薬を自己判断で使わない
  • 消毒液、アルコール、石けんで目元を洗わない
  • しこりや膿を自分でつぶさない
  • 強くマッサージしない
  • 犬が目をこすり続けるのを放置しない

6. 予防するために日頃からできること

犬のものもらいを完全に防ぐことは難しいですが、目元を清潔に保つことでトラブルに気づきやすくなります。

特に、トイプードル、シーズー、マルチーズ、ロングコートチワワなど、目の周りの毛が伸びやすい犬は、毛が目に入らないように整えてあげるとよいでしょう。

  • 目の周りの毛を清潔に保つ
  • 目やにを強くこすらずやさしく取る
  • シャンプーが目に入らないようにする
  • 散歩後に顔周りの汚れを確認する
  • 目をこする癖が増えていないか見る
  • まぶたの小さなしこりを見つけたら記録する

7. よくある質問

Q1. 犬のものもらいは自然治癒しますか?

A. 自然に小さく見えることもありますが、原因が細菌感染・詰まり・腫瘍性のできものなどで異なるため、自然治癒を待つより動物病院で確認するほうが安心です。

Q2. 犬のものもらいは人にうつりますか?

A. 一般的には、人や他の犬へ簡単にうつるものではないと考えられています。ただし、目やにや分泌物に触れた後は手を洗い、タオルの共有は避けましょう。

Q3. 人間用の目薬を犬に使ってもいいですか?

A. 自己判断で人間用の目薬を使うのは避けましょう。成分によっては犬に合わないことがあり、症状を悪化させる可能性があります。

Q4. 犬のものもらいは痛いですか?

A. 麦粒腫は痛みや赤みが出やすく、霰粒腫は痛みが少ないこともあります。ただし、犬が目をこする、目を細める、触られるのを嫌がる場合は痛みや違和感がある可能性があります。

Q5. 犬のまぶたのしこりは全部ものもらいですか?

A. いいえ。ものもらいに似ていても、マイボーム腺腫、チェリーアイ、結膜炎、角膜トラブルなどの可能性があります。見た目だけで判断しないことが大切です。

Q6. 動物病院へ行くまでにできることはありますか?

A. 目元を清潔に保ち、犬が目をこすらないようにしましょう。目やにを拭く場合は、清潔なガーゼを湿らせてやさしく拭き取ります。しこりをつぶしたり、消毒液を使ったりするのは避けてください。

8. まとめ

犬のものもらいは、まぶたに赤い腫れやしこりができる症状として気づくことが多いです。

原因には、細菌感染による麦粒腫、マイボーム腺の詰まりによる霰粒腫、腫瘍性のできものであるマイボーム腺腫などがあります。

見た目が似ていても治療方法が異なるため、飼い主さんだけで判断するのは難しいです。

愛犬の目元に異変があると、心配になりますよね。しかし、早めに気づいて診察を受けることで、悪化を防ぎやすくなります。

目やに、涙、赤み、腫れ、しこり、目をこする行動がある時は、「少し様子を見よう」ではなく、早めに動物病院へ相談してあげましょう。

この記事の要点

犬のものもらいは、まぶたのマイボーム腺の細菌感染や詰まり、腫瘍性のできものが関係していることがあります。自然治癒を待つより、赤み・腫れ・しこり・目やに・目をこする行動がある場合は、早めに動物病院で原因を確認することが大切です。

参考リンク

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