目次
1. はじめに
1-1. 「犬 ずっと見てくる」現象とは?
愛犬家の皆さま、こんにちは。
私たちの愛する犬たちとの日常の中で、犬がずっと見つめてくる瞬間があることに気付くことも多いのではないでしょうか?
実際に犬を飼っている人にとって、ほぼ全員が感じているようです。
参考:いぬのきもち 愛犬が飼い主さんの顔を見つめてくることがありますか?
これは単なる偶然の眼差しではなく、犬たちの感情や意図を表現する重要なコミュニケーションの一環であるからです。
今回は、犬がずっと見てくる、その背後にある意味や犬たちの感情について探求していきます。
1-2. 犬の視線の意味
犬は言葉を話すことはできませんが、その視線は多くの情報を伝えます。
犬がずっと見てくることは、愛情、信頼、安心感、または要求など多くの感情や意図を表現している可能性があります。
【愛情と信頼の証】
愛犬が目を見つめてくることは、愛情と信頼の表れとされています。
犬は信頼している人間を見つめることが多く、視線を通じて愛情を示します。
口角を上げて笑顔をみせるように見つめてくる場合や穏やかな柔らかい表情で見つめるようなときは「大好き」という愛情を示しています。
【コミュニケーションの手法】
犬は要求がある時に視線を利用してコミュニケーションをとります。
たとえば、食事や散歩の要求など、さまざまな要求がある時にも視線を通じて伝えます。
要求を通すために吠えることもあるかもしれません。
吠えずにじっと見つめて要求してくることは、飼い主を信頼しているからこそでもあるでしょう。
【観察している】
横になってリラックスしているのに見つめてくるのは、飼い主の行動が気になっているからでしょう。
「何をやっているのかな?」「どこかに行くのかな?」「何かくれるかな?」このように愛犬なりに考えながら想像していると考えられています。
また、単純に見守っている場合もあります。
【不安や緊張がある】
これもコミュニケーションの一環ですが、これまでとは逆に不安や緊張がある時に見つめてくることがあります。
我が家の犬も雷などで怖い時や不安がある時には、ジッと見つめてきます。
しかし、この時には震える、鼻にしわを寄せる、歯をむき出しにする、尾が垂れ下がっているなどストレスを感じていることを示すサインを他にも同時にすることが多いです。
優しく緊張をほぐしてあげましょう!
2. 見つめ返したら犬が視線をそらす理由
愛犬が見つめていることに気が付き、見つめ返したら視線をそらされた経験もあるかと思います。
これは愛犬家からするとショックかと思いますが、飼い主のことが嫌いという意味ではありません。
【冷静になりたい】
興奮している時には、興奮を抑えるために目をそらすことがあります。
なんか可愛いですね。
犬は喜ぶとしっぽを振ると思っているからが多いようですが、正しくは「興奮すると」です。
喜びはその興奮の要因の1つでしかありません。
しっぽを振りながら目をそらす時は興奮を抑えようとしているものと考えられます。
【苦手なことから避けたい】
苦手なことから逃げたい時にも犬は目をそらします。
散歩に行きたくないのに行く時や、シャンプーする時など、その犬にとって苦手や嫌な時に目をそらします。
その時にはあわせてしっぽを垂らすことも多いでしょう。
我が家の犬は動物病院に行くと分かった時に急に目をそらして逃げ出します(笑)
【敵意がないことを示している】
敵意がないことを示す時に目をそらすこともあります。
有名な例えだと猿とかがそうですが、自然界において目を合わすということは敵意を示すことであり、目をそらすことで敵意が無いと示すことになります。
【怒られていると感じている】
犬は自分が叱られていると感じると目をそらすことがあります。
これは先ほどの冷静になりたい気持ちも含まれています。
犬は習慣の動物です。
これまでの経験で目を合わせた時に怒られてばかりいた、良い経験がない、このような犬は次第に目を合わせなくなっていきます。
名前を呼ぶ時には褒める時だけにする。
目が合った時には褒めてあげる。
この様な習慣をつけるとよく目を合わせられるようになってきます。
3. 犬と見つめ合うことで得られる犬と人間のメリット
犬が人間を見つめてくることがあるのはわかりました。
それでは、私達人間が愛犬と目を合わすことで得られるメリットはあるのでしょうか?
実は、人間と犬が見つめ合うと「オキシトシン」というホルモンが分泌されることが研究によって発表されています。
「オキシトシン」は幸せホルモンとも言われ、集中力の向上、ポジティブになる、不安や恐怖心を和らげるなどの効果が得られるホルモンとされています。
それだけではなく、食欲の抑制や脂肪分解の効能が報告されており、夢の肥満薬としての研究も進められております。
参考:オキシトシン分泌能回復による抗肥満作用の検討と肥満治療応用基盤の確立
参考:順天堂だより第319号
さて、人間と犬が見つめ合う実験は、犬が飼い主を良く見つめるグループとあまり見つめないグループとに分かれ、飼い主と犬が30分間の交流を行い、交流の前後に飼い主およびイヌの尿を採取しオキシトシン濃度を測定したというもの。
犬が飼い主をよくみつめるグループでは飼い主も犬も交流のち尿中オキシトシン濃度が上昇した。
犬が飼い主をあまりみつめないグループでは、飼い主も犬も尿中オキシトシン濃度に変化はなかった。
という研究があります。
参考:Social evolution. Oxytocin-gaze positive loop and the coevolution of human-dog bonds
参考:オキシトシンと視線との正のループによるヒトとイヌとの絆の形成
なお、この見つめることで増える「オキシトシン」はオオカミでは増えることが無かったようです。
これは犬と人間が長年共存して生きてきている証拠でもあるのではないでしょうか。
参考:Oxytocin-gaze positive loop and the coevolution of human-dog bonds
4. まとめ
犬を飼っている人なら誰でも気が付く、「犬がずっと見てくる」現象。
これは犬たちのコミュニケーション手段としての重要な役割があり、彼らの感情や意向を我々に伝える方法の一つです。
この見つめる行動には、愛情や信頼を示すものから、要求や不安、緊張を伝えるものまでさまざまな意味が込められています。
また、愛犬が飼い主を見つめることに気付き、こちらが視線を返すと、犬が視線をそらすことも。
これには、興奮を鎮めたい、何かから避けたい、敵意がないことを示したいなど、様々な理由があることがわかっています。
そして、最も興味深い研究結果として、人間と犬が見つめ合うことで「オキシトシン」というホルモンが分泌されることが明らかになりました。
このホルモンは犬と人間が長い歴史の中で培ってきた絆の深さを、科学的な側面からも感じることができます。
ぜひ、愛犬との素晴らしい幸せに満ちた毎日にするためにも愛情や信頼を示す、見つめ合う時間を沢山作ってあげてください。
今回の記事を通して、愛犬とのコミュニケーションの一環としての「見つめる」行動の背後にある意味や感情、そしてその深い絆についての新しい知識を得ることができたら幸いです。
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