この記事では犬の平熱と正しい測り方、そして熱があるサインと症状をわかりやすく解説します。
犬の身体の暖かさって人によっては癒しでもあると思います。
ところで、犬の平熱ってどれくらいなのか疑問に思ったことは無いですか?
私達人間にとって、自分の平熱を知っておくことが重要なことと同じように、愛犬の平熱を知っておくことはとても大切なことです。
目次
1. はじめに
1-1.犬の平熱はどれくらい?
犬の平熱は、一般的に37.5~39℃程度とされており、人間より若干高めになります。
そして個体差があり、犬のサイズによっても若干の違いが見られます。
例えば、小型犬は大型犬よりも体温が高い傾向にあり、また長毛種の犬や運動量の多い犬種は高めの傾向があります。
子犬は体温が高い傾向があり、一方のシニア犬は新陳代謝も悪くなっているため、成犬と比べ体温はやや低い傾向があります。
また、1日を通しての体温も変化があります。
朝は比較的低めなのに対して夕方頃に少し高くなり、私達人間と同じです。
定期的な体温測定をして愛犬の平熱を把握しておくことで、発熱時にも気づくことができます。
2. 犬の熱の測り方
2-1. 犬の熱を測るに使う道具
【動物用体温計】
犬の体温測定には、動物用の体温計の使用が推奨されます。
動物用の体温計は先端が柔らかく、犬が動いても腸や肛門を傷つけるリスクが少ないためです。
動物用体温計は、より安全で、犬の快適さを考慮した設計がなされているので、動物用体温計を用いましょう。
人間用でも代用はできますが、細菌感染などのリスクもあるので、絶対に共用しないようにしてください。
【使い捨ての体温計カバーフィルム】
これは体温計に被せて使用します。
衛生的、体温計の消毒の必要を減らす事が目的です。
特に複数の犬を飼っている場合や、体温計を他の用途で使用する場合に有効です。
使い捨てのカバーフィルムは、交差感染のリスクを低減し、体温計の長期間の使用を可能にします。
【潤滑剤】
体温計を犬の肛門に挿入する際には、潤滑剤の使用が推奨されます。
これにより、挿入がスムーズになり、犬の不快感を軽減するだけではなく、肛門や腸、そして体温計を傷つけるリスクを低減します。
この潤滑油は、オリーブオイルやワセリンなどでOKです。
参考:大洋製薬 ワセリン
【赤外線温度計】
嫌がって肛門で測れない、肛門に体温計を入れることに抵抗があるという人もいるかと思います。
その場合には耳で測定できる体温計がおすすめです。
耳の中に入れるように軽く当てるだけで1秒程度で測定が完了します。
簡単で、犬のストレスも低くすることができますが、値に誤差が出やすいので、肛門での測定の方が正確性は高いです。
参考:ペット赤外線温度計
2-2. 犬の熱の測り方や注意事項
ここでは、犬の熱を測る具体的な方法と、注意事項を説明します。
【2人以上で行う】
まず、犬の安全を保つために、急に暴れて愛犬が傷つかないように犬の身体をしっかりと抑える担当の人を必要に応じて用意して行うようにしましょう。
【定期的に測ることで平熱を知っておく】
犬は毛量や年齢、運動量などによって平熱に多少の差があります。
月に1回ペースで体温を測定し、現在の愛犬の平熱を知っておきましょう。
愛犬の年齢を人間の年齢なら何歳かを知りたい方はこちら
参考:犬の5歳は人間の何歳?年齢に応じた愛犬のためにあなたがすべきこと
【食後や運動後、屋外から帰ってきてすぐ、排便しそうな時に測定は避ける】
このような時は平熱と異なる結果が出やすいため、避けたほうがよいです。
【常に同じ時間帯に測るようにする】
朝と夕方では朝が低め、夕方が高めに出る傾向があります。
どの時間帯でも良いのですが、同じ時間帯に測るようにしましょう。
【無理やり行わない】
無理やり行うと、犬の肛門や腸を傷つけることがあります。
無理に行うのはやめましょう。
慣れておくことでいざという時にも確実に測れるためにも、定期的に平熱を測っておくことが大切です。
【測定方法】
1. 測定前の準備
測定前には、犬をリラックスさせましょう。
犬が興奮していたり、運動直後の場合、体温が高くなってしまうため、できるだけ落ち着いた状態で測定を行うことが重要です。
2. 体温計の準備
動物用体温計に使い捨てのカバーフィルムをかぶせ、潤滑剤を適量塗ります。
これにより、体温計の挿入がスムーズになり、犬の不快感を軽減できます。
3.体温計の挿入
犬の尻尾を持ち上げます。
その後、体温計を肛門に2〜3cm挿入します。体温計の挿入は水平にゆっくりと優しく行い、犬が痛がらないように気を付けましょう。
4. 測定
体温計を挿入したら、体温計のアラームが鳴るまで、または適切な時間が経過するまで待ちます。
この間、犬が体温計を抜かないように、尻尾と体温計を同時に持つようにしましょう。
5. 測定後の処置
体温計を取り出した後は、犬と体温計を清潔に保つために、体温計を消毒し、犬の肛門周りを清潔に拭きます。
6.結果の記録
測定した体温は記録しておきます。
これにより、愛犬の平熱との比較や、体調の変化を追跡することができます。
3.犬の熱があるサインと症状
実際に熱を測定しなくても、犬が熱を持つ際に現れるサインと症状はあります。
以下に挙げるサインと症状は、犬が発熱している可能性があるので知っておきましょう。
【呼吸が荒い】
犬は暑いときにはハアハアと息をする(パンティング)ことで体温を下げますが、暑くないのに呼吸が荒い場合は発熱で体温を下げようとしている可能性があります。
【元気がない、ぐったりしている】
急に活動量が減り、ぐったりとした様子が見られる場合、発熱を含めて体調不良や病気が疑われます。
【食欲がない】
犬が元気がなく、食欲がなくなった場合、体調不良の可能性があります。
食欲が落ちると水分も摂取しにくくなり、脱水症状が進み危険な状態になってしまうこともあります。
【耳の付け根や足先が熱い】
犬の耳の付け根や足先に熱感が出ることも発熱の特徴です。
触ると熱い感じがする場合、発熱している可能性があります。
4. 犬の熱がある原因と対処方法
犬が発熱する原因と、実際に発熱してしまったらどの様に対応すれば良いのでしょうか?
≪原因≫
【熱中症】
犬も熱中症になります。
人間と同じように熱中症になっている時には体温がかなり上がっている状態となります。
【細菌やウイルスなどによる感染】
人間と同じように細菌やウイルスなどに侵されると、犬の身体も細菌やウイルスを撃退しようと熱を上げます。
特に有名なのが、ケンネルコフ(犬伝染性気管気管支炎)といった呼吸器の感染症です。
参考:犬も風邪をひくの?風邪の症状と原因、予防法を徹底解説します!
【炎症によるもの】
肺炎、胃腸炎、肝炎など特に内臓の炎症があると発熱する場合があります。
この炎症はウイルス感染による場合もありますが、アレルギー反応によって起こる場合もあります。
【生殖器疾患】
避妊手術を受けていないメスの犬のみにかかる子宮蓄膿症は、子宮に膿がたまってしまい、雑菌の繁殖となる事によって引き起こされる病気です。
発熱以外にも、嘔吐や下痢、排尿時の異常といったような事も症状として現れるのが特徴です。
≪対処方法≫
【速やかに動物病院へ連れて行く】
最も重要なことは動物病院へ連れて行くことです。
発熱の原因は様々な理由があるからです。
感染症や炎症や熱中症の場合には命に関わる可能性もあるので、動物病院へ連れて行くようにしましょう。
【快適な休息環境を用意する】
愛犬がゆっくりと休めるようなスペースを作ってあげてください。
外で飼っている犬の場合は、家の中に入れてください。特に子犬やシニア犬は、発熱だけでも命に関わる危険性があります。
【体温を下げるために冷やす】
体温を下げるために脇の下や後ろ足の内股を冷やすことが効果的です。
直接氷を当てるのではなく、タオルでまいてからじんわりと冷やしてください。
【十分な水分を与える】
食欲がない場合は、水分補給が非常に重要です。
発熱とは、身体にウイルスや菌が入ってきたり、炎症など異常が起こったときの防御反応として、免疫系が起こす現象です。
熱を上げることで免疫細胞を活性化して、ウイルスなどを撃退しようとしているのです。
原因を特定しそれに対応することがもっとも大切なことです。
動物病院では当然そのことに対応して貰えるので、愛犬に発熱があった場合には動物病院へ速やかに連れて行きましょう!
5. まとめ(犬の平熱を正しく測る方法)
愛犬の平熱を知っておくことで、もし熱があった時に素早く対応することが出来ます。
犬の平熱は人間と異なり、一般的には37.5〜39℃程度とされていますが、これには小型犬や大型犬など、個体によって若干の差があります。
愛犬の平熱を定期的に測定しておくことで、発熱があった時に素早く対応できるようにしましょう。
犬の熱の測り方は、主に直腸温を測る方法が推奨されています。
そこまで高価なものではないので、1セットは揃えておきたいものです。
熱がある場合には、必ず原因があります。
その原因を特定し対処することは動物病院以外では難しいことが多いです。
私達飼い主としてやるべきことは、まずは出来るだけ早く発熱であることを見つけてあげることです。
犬の熱があるサインや症状を見逃さないようにもしましょう。
そして速やかに獣医師の診察を受けることです。
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