犬は本当に夜行性なのでしょうか?それとも昼行性なのでしょうか?
この記事では、犬が夜に寝ない理由や、犬が夜泣きをする理由、犬が夜に吠える原因、犬が寝ないで夜にウロウロする理由、犬の夜になるとテンションが高い理由といった、犬の夜にする行動について詳しく解説します。
目次
1. はじめに: 夜行性と昼行性について
夜に行動的になることを夜行性と言います。
一方で、昼行性とは、昼間に活動し、夜は休息を取る生態のことを指します。
犬の遠い祖先は狼と言われています。
狼は夜行性であるため、犬も夜行性だと思うことでしょう。
確かに犬は昼に良く寝ていたり、夜に活動的になったり、夜泣きしたりする場合もあるため、犬は夜行性だと感じる方も多いと思います。
しかし、犬は本当に夜行性なのでしょうか?
犬が夜行性なのか昼行性なのか、これから詳しく解説していきます。
2. 犬は夜行性?夜に活発になる理由
結論を言ってしまうと、犬は夜行性なのか昼行性なのかどっちとも言えません。
犬は人間との生活を選んだ動物であり、人間と同じ生活スタイルをします。
そのため、基本的には人間と同じく昼行性の動物だということです。
しかし、昼間に良く寝ていたり、多くの犬が夜に活動的になるのはなぜでしょうか?
それには、幾つか理由があります。
まず、犬は基本的に一日のほとんどを寝て過ごす動物だということです。
犬種によって差がありますが、犬は1日の約半分、つまり12時間から15時間寝ることが普通です。
また、犬はまとまって睡眠をとる訳ではないので、昼間も良く寝ます。
参考:愛犬はずっと寝てるけど大丈夫?更にご飯を食べない・元気がない場合にはどうすれば良いのか対処法も紹介
そして犬が夜に活動的になるのには理由があります。
【運動不足やエネルギーが余っているため】
犬が夜に活発になる最も一般的な理由の一つは、日中に十分な運動をしていないことです。
若い犬や活発な犬はエネルギーが余っていると夜に「ズーミー」と呼ばれる突然の活発な行動を見せることがあります。
これは「F.R.A.P.(Frenetic Random Activity Period)」と略されることもあり、エネルギーを発散するための自然な行動です。
特に日中に運動不足だったり、刺激が足りなかったりすると、夜にエネルギーを発散しようとします。
【習慣や環境の変化のため】
犬が夜間に活発になるもう一つの理由は、環境の変化や新しい習慣に適応しようとしている場合です。
例えば、新しい場所に引っ越したり、新しい家族が加わったりすると、犬はその変化に慣れるまで時間がかかります。
その過程で夜間に不安を感じることがあり、その不安が夜間の活動を引き起こすことがあります。
【 老犬の夜間行動】
高齢の犬では、夜間に混乱や不安を強く感じることがあります。
これは「サンダウナー症候群」と呼ばれ、夜になると認知機能が低下し、混乱や不安を引き起こすことが知られていますが、人間だけではなく犬にもあります。
また、老犬は日中の活動が減少するため、夜に目が覚めてしまうことがあります。
これらの理由から、犬が夜に活動的になるのは様々な要因が絡んでいることが分かります。
これらの行動は、認知症や他の健康問題の兆候である可能性もあるため、注意深く観察することが大切です。
3. 犬の夜泣きについて
犬が夜に泣く、つまり「夜泣き」をする理由はいくつか考えられます。
夜泣きは飼い主にとって困りものですが、その背景には犬の様々な要因やニーズが隠れています。
ここでは、犬が夜に泣く理由とその対策について説明します。
3.1 犬が急に夜泣きする理由
犬が急に夜泣きを始める場合、それは何らかの不安や恐怖を感じている可能性があります。
新しい環境に慣れていない、騒音や光に敏感である、または独りになることに対する不安が原因となることがあります。
特に子犬は、新しい家や環境に慣れるまで時間がかかるため、夜に不安を感じることが多いです。
対策としては、犬の安心感を高めるために、寝る前にリラックスさせるルーチンを作ったり、心地よい寝床を提供することが効果的です。
3.2 老犬の夜泣きの原因と対策
老犬の夜泣きは、認知症や身体的な不快感が原因であることが多いです。
加齢に伴う認知機能の低下や、痛みを伴う関節炎などの健康問題が影響している可能性があります。
老犬が夜間に混乱したり、不安を感じるのは「サンダウナー症候群」に似た状態です。
この場合、環境を落ち着かせるために、夜間に部屋を暗くし、静かな場所で寝かせることが推奨されます。
また、改善しない場合には動物病院へ連れて行きましょう。
メラトニンなどのサプリメントを使用して睡眠パターンを調整することを薦められる場合もあります。
3.3 夜泣きが近所迷惑にならないために
夜泣きが近所迷惑になることは、特に都市部では大きな問題です。
犬が夜泣きをする理由を理解し、その根本的な原因に対処することが重要です。
例えば、犬の不安を軽減するために、クレートトレーニングを導入することや、ホワイトノイズを使用して外部の音を遮断することも大切です。
夜泣きの際には大声で叱るのではなく、落ち着いて犬の気持ちを鎮めるようにしましょう。
3.4 1歳といった若い犬の夜泣きの理由
1歳くらいの若い犬が夜泣きをするのは、まだ夜のルーチンに慣れていないためかもしれません。
この時期の犬はエネルギーレベルが高く、日中に十分な運動ができていないと、夜に泣いたり活動的になったりします。
対策としては、日中にしっかりと運動をさせることや、夜寝る前に少しの遊び時間を設けてエネルギーを発散させると効果的です。
3.5 夜泣きを無視することは有効な対処法?
夜泣きを無視することは、一部のケースでは効果的ですが、犬の状態によっては逆効果になることもあります。
犬が不安や恐怖を感じている場合、無視することがそのストレスを増幅させる可能性があります。
したがって、無視する前にまず犬の夜泣きの原因を特定し、それに応じた対応策を講じることが重要です。
4. 犬が夜に寝ない理由
犬が夜に寝ない理由は様々で、犬の年齢、性格、生活環境などによって異なります。
ここでは、犬が夜に寝ない理由とその対策について詳しく見ていきます。
4.1 夜中にウロウロする犬の心理
犬が夜中にウロウロする理由は、エネルギーが余っている場合や不安を感じている場合が考えられます。
特に若い犬や運動不足の犬は、日中に十分なエネルギーを消費できていないと、夜中に活動的になることがあります。
また、環境の変化や新しい状況に対する不安が原因で落ち着かず、家の中を歩き回ることもあります。
対策としては、日中の運動を増やし、夜間のルーチンを確立することが有効です。
また、老犬の場合には、認知症で徘徊をしている可能性もあります。
4.2 犬が夜中に起きる原因と対策
犬が夜中に急に起きる理由には、トイレに行きたいという生理的な欲求や、痛みや不快感を感じている場合などがあります。
特に老犬の場合には、関節炎や認知症などの健康が原因で夜中に目を覚ますことがあります。
これらの問題に対処するためには、健康面に問題が考えられる場合には獣医師に相談し、適切な治療やサプリメントの導入などを検討してみてください。
4.3 老犬が夜に寝ない理由
老犬は昼間の活動が少なくなりがちで、その結果夜に目が覚めやすくなります。
また、認知症の症状として夜間に混乱したり不安を感じたりすることもあります。
5. 犬が夜に吠える理由
犬が夜に吠える理由は、いくつかの要因が考えられます。
犬の吠える行動はコミュニケーションの一環であり、何かを伝えたいという強い意思の表れです。
ここでは、犬が夜に吠える理由とその対策について詳しく説明します。
5.1 夜に遠吠えをする理由
夜間の遠吠えは、犬が孤独感を感じていることが原因であることが多いです。
特に、飼い主が不在の際に長時間一人で過ごしている犬は、寂しさや不安から遠吠えをすることがあります。
犬は社会的な動物であり、家族とのつながりを強く求めます。
そのため、孤独感を感じると、遠吠えを通じて他の犬や飼い主とつながりを持とうとするのです。
また、夜間に聞こえる外部の音が原因で遠吠えを始めることもあります。
特に野生動物の音や他の犬の吠える声に反応して遠吠えすることがあります。
犬が安心できる環境を整え、外部の音を遮断するために防音対策を施すことが有効です。
5.2 夜中に突然吠える原因とその対応
夜中に突然吠えるのは、何かに驚いたり、不安を感じたりしている可能性があります。
例えば、急な騒音や光、または見慣れない影などが犬を驚かせることがあります。
犬が突然吠える場合、その原因を特定し、必要であれば対策を講じることが重要です。
一部の犬は警戒心が強く、家を守るために吠えることもあります。
これは犬の本能的な行動であり、外部からの侵入者や異常な状況に対する反応です。
こうした場合、犬の安心感を高めるために、家の周囲を見回り、異常がないことを確認することで、犬の警戒心を和らげることができます。
6. 犬が夜にする他の行動
6.1 犬が夜になると噛む理由
犬が夜になると噛む行動を見せる場合、それはストレスや不安の表れであることが多いです。
特に若い犬や新しい環境に慣れていない犬は、不安を感じると物を噛んでストレスを発散しようとすることがあります。
また、子犬の場合、歯の生え変わりの時期に歯茎の痛みを和らげるために物を噛むこともあります。
対策としては、噛むことができる安全なおもちゃを与えたり、噛みたいという欲求を満たすための適切な方法を教えることが有効です。
6.2 夜にテンションが高くなる犬の理由
夜にテンションが高くなる犬は、日中のエネルギー発散が不十分である可能性があります。
特に運動不足や刺激不足が原因で、犬が夜に活動的になり、遊びたがることがあります。
また、夜になると飼い主とのふれあいの時間が増えるため、犬が興奮しやすくなることもあります。
このような場合、日中に十分な運動をさせることや、夜の遊び時間を計画的に行うことで、犬のエネルギーを適切に消費させることが重要です。
6.3 夜に落ち着かない犬の行動と対策
夜に落ち着かない犬は、不安や恐怖を感じている可能性があります。
夜間の音や光、環境の変化に敏感な犬は、夜に落ち着かない行動を見せることがあります。
対策としては、犬が安心できる環境を整えることが必要です。
6.4 夜に徘徊する犬の原因と対処法
夜に徘徊する犬の原因としては、エネルギーの余剰、不安、あるいは認知機能の低下が考えられます。
特に老犬の場合、夜間に混乱して徘徊することがよくあります。
これは、認知症や他の健康問題が原因であることが多いため、早めに獣医師の診察を受けることが重要です。
環境を落ち着かせるために、部屋を暗くし、リラックスできる空間を提供することも有効です。
6.5 夜になると震える犬の原因
犬が夜になると震える原因には、不安、寒さ、痛みなどが考えられます。
特に小型犬や短毛種は寒さに敏感で、夜間の気温が低くなると震えることがあります。
また、痛みや体調不良が原因で震える場合もあるため、異常が続く場合は獣医師の診察を受けることが必要です。
7. 犬の夜目について
犬の「夜目」とは、夜間に犬がどの程度の視力を持つのか、つまり暗い場所でどれだけ見えるかを指します。
犬は夜行性の動物ではありませんが、人間よりも暗い環境で物を見る能力が優れています。
これは犬の目の構造と進化に関係しています。
犬の目にはタペタム・ルーシダムという反射層があり、これが暗闇での視力を向上させています。
この層は、入ってきた光を反射し、目の内部で再び光を利用することで、低光量の条件下でも視力を向上させます。
そのため、犬は人間よりも夜間に物をはっきりと見ることができるのです。
また、犬の目はより広い視野を持ち、動きを捉える能力(動体視力)に優れています。
これは特に野生での狩猟本能に関連しており、低光量の中で動く小動物を素早く見つけることができます。
犬の目は色を識別する能力が人間よりも劣っていると考えられていますが、動きと明暗のコントラストを敏感に捉えることができるため、夜間の視力は人間よりも十分に確保されています。
他にも犬の嗅覚は発達しており、人間は鼻腔の天井部分に約500万個の嗅神経細胞が発現している一方で、大型犬では約3億個以上の嗅神経細胞が存在すると言われています。
そのため、犬は人間に比べると簡単に夜の暗闇で動くことができます。
8. まとめ(犬は夜行性なのか?)
今回の記事では、犬が夜に見せるさまざまな行動について解説しました。
犬は夜に寝なかったり夜泣きしたり吠えたりすることがあるため、夜行性だと考えがちです。
犬の祖先である狼が夜行性のため、犬も夜行性と考える方もいるでしょう。
確かに祖先の遺伝を考えると夜行性かもしれません。
しかし、犬は私達人間と一緒に生きることを選択した動物のため、基本的には人間と同じ昼行性の動物です。
ただし、犬の個体差や年齢、健康状態、環境要因によっては、夜間に活発になったりすることがあります。
人間は基本的に夜に寝る動物であるため、犬が夜に活発になると気になりますが、そこには必ず意味があります。
犬が夜間に見せる行動が気になる場合は、まずはその原因を探り、適切なケアを行うようにしましょう。
【今回の記事の参考資料】
Why Does My Puppy Go Wild at Night? - American Kennel Club
Recognizing Behavioral Changes in Senior Dogs - American Kennel Club
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