犬がずっとついてくることってありますよね。
それなのに逃げる時もあります。
なぜでしょうか?
私達にとっては理解できない行動でありますが、そこには隠された理由があります。
今回の記事では犬がずっとついてくる理由と、時に逃げる理由について解説します。
目次
1. はじめに
1-1. 犬がずっとついてきたり、ついてくるのに逃げることは良くあることか?
犬が飼い主についてくる行動は、ほとんどの飼い主が経験することです。
実はこれらの行動は、犬の心理や習性や要求に関連しています。
犬がくっついてくる理由には、愛情や信頼といった嬉しい心理が主に関係していますが、あまりにもしつこい場合には、病気や体調不良のサインである可能性もあります。
一方で、ついてくるのに犬が飼い主から逃げる行動も時にあります。
これも犬の様々な心理状態から起こりえる行動です。
2. 犬がついてくる行動の背景にあるもの
2-1. 犬の本能と習性によるもの
犬は元々群れを作って生活する動物であり、その中で社会的役割を担っています。
人間との長い共生の歴史において、犬は同種だけでなく、人間とも深い社会的結びつきを持つことができる非常に高い能力を持つようになりました。
犬の群れでは、階層が存在し、群れの中での自分の位置が決まっています。
強力なリーダーがいることで群れが安定し、犬は大きな安心感を得ます。
人間と暮らす犬も、人間との間に群れに似た関係を作ろうとします。
飼い主をリーダーとして認めているからついてくるという行動を取る時があります。
さらに、犬は狩猟本能を持っており、捜索本能、追跡本能、持来本能などがあります。
これらの本能は、日常生活における犬の行動にも影響を与えています。
例えば、走っている近所の子供を追いかけまわそうとしたりする行動は、この狩猟本能の表れです。
犬が飼い主の後をついてくる行動は、これらの本能と習性が影響していると考えられます。
2-2. 飼い主との絆があるから
犬と飼い主の間には、他の動物とは異なる特別な関係が存在します。
飼い主と犬が目を合わせると、愛情や信頼に関連するホルモン「オキシトシン」の濃度が双方で上昇することが明らかになっています。
この現象は、人間の母親と子どもの間で見られる関係性と類似しており、犬と飼い主間の深い絆を示しています。
犬が飼い主についてくる行動は、このような親子のような絆に基づいていると考えられます。
飼い主との深い絆が犬の行動に影響を与えており、愛犬が飼い主を安心感や安全の源として感じていることが、この行動の背後にあると言えます。
参考:Social evolution. Oxytocin-gaze positive loop and the coevolution of human-dog bonds
参考:オキシトシンと視線との正のループによるヒトとイヌとの絆の形成
参考:Oxytocin-gaze positive loop and the coevolution of human-dog bonds
2-3. 依存性が高いため
犬が飼い主の後をついてくる行動は、高い依存性に起因することがあります。
例えば、トイレやお風呂など、ついてくる場所が過度である場合には、依存性が高くなりすぎて「分離不安症」になっている可能性があります。
分離不安症の特徴として
・留守中に極度に吠える
・ひとりになると物を壊す
・留守中に自分の手足を過度に噛んだり舐めたりする
などがあります。
過度な依存性がある場合には改善が望ましいです。
2-4. 環境や体調などの理由から
環境や体調の変化による影響が原因で後を付け回していることがあります。
例えば、犬が新しい環境に置かれた場合に、不安やストレスを感じて飼い主に近づき、安心を求める行動をとることがあります。
うちの愛犬は雷が鳴ることや強い風の音が怖くて、そんな時にはずっとついてきます。
また、犬が体調不良を感じている時にも、飼い主に寄り添うことで安心感を得ようとすることがあります。
病気や怪我などの可能性がないかもチェックしましょう。
3.犬が逃げる行動の背景にあるもの
3-1. ストレスや恐怖から
犬が飼い主から逃げる行動は、ストレスや恐怖から生じることがあります。
嫌な抱き方や構い方をされたことがあったり、怒られたことがあってストレスや恐怖を感じ、逃げるという行動をします。
初めて動物病院に連れて行った時は尻尾を振って喜んでいたのに、そこで手術をしたり注射とかで痛かったり嫌な思いをしたり、身体を触って検査されることに対するストレスがあると、次に連れて行こうとする時に逃げることは良く聞く例です。
散歩を嫌がる例も、そもそも散歩が嫌い、どこかが痛くて行きたくないなど様々な要因がありますが、散歩中の飼い主のリードが犬にとってはストレスで行きたくないという原因である場合もあります。
これらの要因を踏まえると、犬が飼い主から逃げる行動には何かしらの理由があり、ストレスや恐怖感によるものと理解できます。
決して、「この犬は臆病でね〜」といった声で片づけないことが大切です。
3-2. 体調の理由によるもの
先ほど、犬がずっとついてくる理由として体調の変化があると述べました。
同じ理由で、触れたくない、放っておいて欲しいという理由で逃げる場合もあります。
3-3. 犬がついてきているのに逃げる理由
犬が飼い主の後をついてくる一方で、突然逃げる行動をとるのには、いくつかの理由があります。
【興味があるけど飼い主に慣れていない】
まだお迎えして日が浅いなど、興味があるからついてくるけど、まだ慣れていなくて触られるのが嫌なために、触ろうとすると逃げるということがあります。
【好きだけど扱いが怖い】
興味があるけど飼い主に慣れていないのと似ていますが、飼い主のことが好きであとをついてくるものの、飼い主の対応の仕方が怖くてということもあります。
手が怖いという犬も居ますので、上から手を出さない、ゆっくりと少しづつ優しく触るなど少しづつコミュニケーションを取っていきましょう!
【遊んで欲しい】
犬が逃げる時に、目がキラキラしていて尻尾を振っている場合などは、これは追いかけっこをして遊びたいという合図かもしれません。
犬は逃げたり戻ったりする動作を繰り返し、飼い主に遊びを促していると考えられます。
4. 愛犬がずっとついてくる行動や、ついてくるけど逃げる時の対応方法
犬がついてくる理由として様々な理由があることはこれまでも述べました。
犬の本能と習性によるもの、飼い主との絆があるからであれば問題になることはありません。
気を付けないといけないことは、やはり「分離不安症」になっている可能性がある場合です。
分離不安症の原因として「甘やかしすぎている」ということがあります。
可愛いからと、つい常に犬を抱きかかえていたり、おやつをあげすぎたりしている場合などないでしょうか?
その場合には行動の改善をしましょう。
分離不安症は基本的には行動療法で改善させることになります。
また、小さなころからしっかりとしつけをすることで甘やかしすぎないことも有効です。
しつけ方法などで難しい場合には、ドッグトレーナーや獣医師に相談することも有効です。
参考:環境省「動物の適正譲渡における飼い主教育」9. しつけ方教室
また、体調の不安からついてきたり逃げる時にも注意が必要です。
この様な時は、それ以外に「どことなく元気がない」「震えている」「しっぽが垂れている」など他でも気が付くサインを出している場合がほとんどです。
また、普段からストレスを溜めさせないように適度に運動させたりスキンシップも普段からしておきましょう。
5. まとめ
犬がついてくる行動は、依存性、絆、安心感の表れであり、一方で突然逃げる行動は、恐怖や遊び心などの表れが基本的な理由です。
犬は人間の言葉を話すことができない分、動作で意思を伝えてきます。
また、犬は記憶力が良い動物です。
過去にあった経験をよく覚えていますので、特にまだ慣れていない犬の場合には抱っこや触れることが気持ちいいことなんだと感じて貰えるようにコミュニケーションを取っていきましょう。
そして信頼関係を築ければ逃げるという行動は減っていくはずです。
愛犬との素晴らしい生活を楽しんでくださいね!
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