愛犬の座り方からパテラの脱臼など健康リスクが分かることがあります。
この記事では、犬の座り方の種類と変な場合の対処法について詳しく解説します。
目次
1. 犬の座り方について
犬の座り方にはどのような種類があって、どのような特徴があるのでしょうか?
またどのような理由があってそのような座り方をするのでしょうか?
それぞれの理由について詳しく説明し、その種類を解説します。
1.1 犬の座り方の種類
犬の座り方には、幾つかの種類があります。
一般的に正しい座り方は、前足と後ろ足が体の内に収まっていて、きれいに揃った状態です。
しかし、「お姉さん座り」と言われる、後ろ足の片方を横に出し、お尻が地面についている座り方をする時があります。
このお姉さん座りをする犬は多くいます。
他にも「投げ足座り」と言われる、犬が後ろ足を前に投げ出すように座る姿勢も特徴的です。
また、犬種ごとに特徴があることもあり、例えば「パグ座り」というものや、「ジャック座り」という、ジャック・ラッセル・テリアの飼い主さんの間で呼ばれることがある座り方もあります。
犬種に関わらず、座り方の癖や習慣として脚を崩して座ることが多く、「犬が脚を崩して座っている=何か病気がある」と判断できるものではありません。
一方で、パテラ(膝蓋骨)の脱臼や股関節などに異常を抱えているために特徴的な座り方をしている場合があります。
2. 犬の座り方がおかしいとき
座り方の癖として変な座り方をすることがあります。
しかし、愛犬の座り方が急に変わることは、時に健康上の問題である場合があります。
他にも、脚を引きずる、歩き方が変、いつもと異なって足が変な方向に向いている、痛がるような仕草をしている場合には注意が必要です。
2.1 座り方の後ろ足で分かることが多い
愛犬の座り方においては、特に後ろ足の座り方には注意が必要です。
お姉さん座りと言われる後ろ脚を横に投げ出すような座り方をしている時には、パテラ(膝蓋骨)の脱臼や股関節の異常、関節リウマチなどである場合があります。
他にも、投げ足座り(犬が後ろ足を前に投げ出すように座る姿勢)は、特定の犬種ではこの座り方が普通ですが、急にこのように座るようになった場合は、靭帯や股関節に問題がある可能性が考えられます。
また、座ってもすぐに立ち上がる時には、お尻にトラブルがある可能性があり、座りづらそうにして座るまでに時間が掛かる場合には、関節や靭帯に痛みがある場合が考えられます。
2.2 パテラの脱臼など関節疾患による特徴的な座り方
パテラ(膝蓋骨)の脱臼は、犬の関節疾患の中でも比較的一般的な病気です。
パテラ(膝蓋骨)とは膝のお皿を指し、脱臼は何かしらの外部からの力によって、正常な位置から外れることによって生じます。
パテラの脱臼には内側に外れると内方脱臼、外側に外れると外方脱臼と2種類があり、小型犬は内方脱臼が多く、大型犬や中型犬には外方脱臼が多い特徴があります。
またパテラの脱臼が多い犬種もあります。
内方脱臼になり易い犬種 |
外方脱臼になり易い犬種 |
チワワ、ポメラニアン、トイ・プードル、パピヨン、ヨークシャテリア |
ミニチュアダックス、大型犬 |
パテラの脱臼が進行すると手術が必要になる場合がありますので、早めのケアをしましょう。
フローリングなど滑りやすい場所には滑り止めのマットを敷いたり、ベッドやソファなどから飛び降りないようにスロープや厚手のクッション用マットを敷いてあげるなどして、パテラの脱臼から守ってあげましょう。
パテラの脱臼により、犬はお姉さん座りなど特徴的な座り方をすることがあります。
パテラの脱臼が疑われる場合には、獣医師の診察を受けるようにしましょう。
跛行検査や触診やX線検査を行い、適切な診断を下すことがほとんどです。
参考:ふなばし動物医療センター 膝蓋骨脱臼についてお話します
3. 犬の座り方から分かるパテラの脱臼以外の健康問題
犬の座り方が変な場合にはパテラの脱臼以外の可能性もあります。
3.1 関節リウマチや股関節形成不全
愛犬の座り方が急に変わった場合は、主に骨や関節に異常がある可能性があります。
骨折や靭帯損傷などの場合もありますが、代表的な病気として、関節リウマチや股関節形成不全があります。
関節リウマチは、自己免疫機能によって、犬が自分自身の関節を間違って攻撃してしまい、関節に強い炎症を起こす疾患です。
四肢の末端の関節に症状が現れ、関節が痛んだり硬直したりします。
そのため、座り方が変わったこと以外にも、急に動きたがらなくなったり、歩き方がぎこちなくなったりします。
愛犬が急に老け込んだと感じる飼い主さんもいるようです。
【関節リウマチになりやすい犬種】
ミニチュア・ダックスフンド、プードル、シーズー、マルチーズ、チワワ、シェットランド・シープドックなど
リウマチ性関節炎は進行性の病気なので、治療には早期発見が重要です。
リウマチ性関節炎の診断には、関節液検査が必須となっています。
股関節形成不全の場合は、犬は歩く際に腰を左右に振る(モンローウォーク)仕草や、横座りをする、後ろ足を同時に蹴って走るウサギ飛びのような走り方をする、段差を避ける仕草を見せることが特徴です。
この病気は主に大型犬や超大型犬に多いです。
この病気は遺伝要素が7割と、遺伝によって発生することが多いと言われています。
家族にお迎える前に、その親に股関節形成不全があるかどうかを確認しておくことも大切です。
また、遺伝的要素以外に肥満が主な原因となることも多く、食事管理の徹底が重要です。
【股関節形成不全になりやすい犬種】
ゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバー、セント・バーナード、バーニーズ・マウンテンドッグ、オールド・イングリッシュ・シープドッグ、ジャーマン・シェパードなど
これらの病気は、直接的に命に関わるものではないものの、長期的な障害を引き起こす可能性があります。
パテラの脱臼を含めて、愛犬の座り方が急に変わったと感じたら、まずは獣医師に相談するようにしましょう!
3.2 座り方が変・おかしい場合の対処法
人間同様に、犬にも楽な座り方があり、癖もあります。
そのため、「犬が変な座り方をしている=何か病気がある」という訳ではありません。
しかし、急に座り方が以前と変わった。
このような場合であったり、脚を引きずる、歩き方が変、歩かなくなった、元気がない、段差が登れなくなった、直ぐに姿勢を変える、など他に症状がある場合には、何かしらの疾患を抱えている場合があります。
その場合には獣医師のところに連れて行って診察をしてもらいましょう。
怪我によるものは突発的な状況が多いため、万が一の時用として、予め緊急時に対応できる病院リストを作っておくと安心です。
4. 犬の座り方を改善するためのグッズ紹介
犬の座り方を改善するためには、何よりもまずは変な座り方をするための原因となってしまう怪我を防止することが大切です。
そのためのグッズを紹介します。
4.1 関節サポート用のグッズを利用したケア
【滑り止めマット】
フローリングに滑りにくい吸着マットがあります。
これは歩行時の滑りを防ぎ、関節や脱臼のリスクを減らすのに役立ちます。
参考:Amazon サンコー 廊下敷き マット カーペット はっ水 消臭 日本製 おくだけ吸着 ロングマット 60×300cm ブラウン KH-69
【スロープ】
特にパピー犬や超小型犬やシニア犬は関節が弱いので、スロープをベッドやソファーに付けることも効果的です。
この商品は我が家でもベッドとソファーの前についているスロープです。
参考:Amazon 明和グラビア ペット用スロープ PS-02 ダークブラウン
【サプリメント】
実際に関節を痛めて動物病院へ行くと、サプリメントを処方される場合もあります。
一般で購入できるサプリメントも沢山売っていますが、動物病院で獣医師に伝えて処方される方が安全面からもお勧めです。
5. まとめ: 犬の座り方に関する理解とケアの重要性
今回の記事では、犬の座り方にフォーカスして解説を行いました。
犬の正しい座り方は、前足と後ろ足が体内に収まり、整った状態であります。
しかし、犬によっては「お姉さん座り」や「投げ足座り」といった独特の座り方をすることもあります。
これらの座り方自体が必ずしも問題を示すわけではありませんが、時には関節や靭帯や骨の異常を表していることもあります。
特に「パテラ(膝蓋骨)の脱臼」は一般的な関節疾患であり、特徴的な座り方を引き起こすことがあります。
パテラの脱臼は、小型犬では内方脱臼が多く、大型犬では外方脱臼が一般的です。
また、関節リウマチや股関節形成不全など他の健康問題も、犬の座り方から読み取ることができます。
座り方が急に変わったり、歩き方に異常が見られる場合、犬は何らかの不快や痛みを感じている可能性があります。
このような症状が見られた場合には、獣医師に相談し、適切な検査や治療を受けるようにしましょう。
また、滑り止めマット、スロープ、サプリメントなどのグッズを上手に利用して、これらの怪我リスクを予防する効果も期待できます。
愛犬が快適に過ごせる環境を作ってあげてくださいね。
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