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犬が舌を出す理由

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犬が舌を出す理由には、さまざまな意味が隠れています。

この記事では、犬の舌に焦点をあて、犬が舌を出しっぱなしにする理由や、舌の色が白い・黒い・紫色になる原因、そしてペロペロと舌なめずりをする理由などについて詳しく解説します。

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記事を書いた人:PetFriends.jp店長 篠本

ペットフード販売士

1. はじめに: 犬が舌を出す理由

犬が舌を出す行動は、飼い主にとって可愛らしく見えることが多いですが、ずっと舌を出していたり、ちょっとだけ舌を出したりと色々な方法があり、またその背後には様々な理由と、そこから分かる原因が判断できるます。


まず、犬が舌を出す行動は、多くの人が知っている体温調節の一環であることが一般的です。


犬の舌の色から、健康状態を示す重要な指標の一つとなる場合があります。

舌が白っぽく見える場合、黒っぽい斑点が見られる場合、舌が紫色になる場合などがあります。


また犬が舌を出すにしても、ちょっとだけ出している場合や、舌をしまい忘れるような行動の時など、状況は様々です。

2. 犬が舌を出す様々な理由

2.1 体温調節のため犬は舌を出す

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犬が舌を出す最も一般的な理由は、体温調節です。

犬は全身に汗腺が少なく、主に足の裏と鼻でしか汗をかけません。

そのため、暑い日や運動後に舌を出して呼吸を速めることで、体内の熱を放出し、体温を下げる役割を果たします。

特に、パンティング(浅く速い呼吸)をしている犬を見かけたら、それは暑さや運動による体温上昇を調整しているサインです。


犬も熱中症になりますので、特に夏場や熱中症になり易い子犬やシニア犬、頭短犬は注意が必要です。

参考:愛犬を熱中症から守る予防や対処法

2.2 舌なめずりと匂いの確認のため犬は舌を出す

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食べ物の匂いを確認する、あるいは周囲の匂いを嗅ぎ取るために犬は舌なめずりをすることがあります。


犬は、ヤコブソン器官という特別な嗅覚器官を持っており、舌なめずりをすることで匂いをその器官に届けているのです。


特に、新しい場所に行ったり、他の犬や人間と出会ったりすると、この行動が見られます。

参考:Why Does My Dog Lick the Air?

2.3 不安なときに犬は舌を出す

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犬が舌を出す行動には、心理的な理由もあります。

例えば、緊張している時やストレスを感じている時に、犬は舌を出して自分を落ち着かせようとします。

舌をペロッと動かす動作が素早いため、気づきにくいこともありますが、犬はあなたの顔をなめたいという気持ちではなく、特定の状況に対する不快感を伝えているのです。

3. 舌の色でわかる犬の健康状態

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犬の舌の色は、健康状態を知るうえで重要な手がかりとなります。


通常、犬の舌は健康なピンク色をしていることが一般的ですが、異なる色が見られる場合には、何らかの健康問題が潜んでいる可能性があります。


ここでは、犬の舌の色が示す代表的な健康状態について詳しく解説します。

3.1 犬の舌が白い場合

犬の舌が白っぽく見える場合、貧血や血液循環の問題が考えられます。


貧血とは、体内の赤血球の数が減少することで、酸素を全身に十分に運べなくなる状態です。


一言で貧血と言っても原因はさまざまで、免疫介在性溶血性貧血では赤血球が破壊されるため貧血を起こします。


また、僧帽弁閉鎖不全などによって肺水腫が起こり、肺に水が溜りることで呼吸が不足するために貧血状態となり、チアノーゼの少し手前である場合もあります。


精密検査を実施しないと原因がはっきりしないこともありますので、速やかに獣医師に相談することが推奨されます。

3.2 犬の舌が黒い場合

犬の舌に黒い斑点が見られる場合、これが色素沈着によるものであれば問題はありません。

特に、チャウチャウやシャーペイなどの犬種では、舌が青黒くなることが一般的です。


しかし、突然現れた黒い斑点や、斑点が急速に変化したり、斑点の質感が隆起したり、舌や歯茎の他の部分と異なっている場合は、腫瘍や他の健康問題の兆候である可能性もあります。


これらの異常を見つけた場合は、念のために獣医師の診察を受けることをおすすめします。

3.3 犬の舌が紫色になる場合

犬の舌が紫色になる場合、これは酸素不足や血行不良の兆候でチアノーゼを起こしていることを示します。

これは非常に危険な状態であり、直ちに対応が必要です。


紫色の舌は、重度の呼吸困難や心臓の問題を示していることが多く、適切な治療が遅れると生命に関わる可能性があります。

愛犬がこのような状態になった場合は、すぐに動物病院へ連れて行くことが必要です。

4. 犬が舌を出しっぱなしで、舌のしまい忘れをする理由

犬が舌をずっと出しっぱなしにして、しまい忘れをしている時には、どのような理由があるのでしょうか。

ここでは、犬の舌の色が示す代表的な健康状態について詳しく解説します。

4.1 犬がリラックスしている場合

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多くの犬は、リラックスしている時に舌を少し出していることがあります。


これは、特に寝ている時や、くつろいでいる時に見られることが多いです。


犬にとって、舌を出すことは口の中の温度を調整するための自然な行動であり、特に何も問題がない場合もあります。

4.2 犬種によるもの

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一部の犬種(パグ、ペキニーズ、シーズー、ボストンテリアなど)といった短頭種は鼻と口の距離が短いために舌が出やすいと苦境があります。


特にシニア犬になると、舌の筋肉が弱くなることもあり、舌を完全に口の中に戻すことが難しくなることがあります。

4.3 口腔内の問題で犬は舌を出しっぱなしにすることがある

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犬が舌を出しっぱなしにしている場合、口腔内に問題がある可能性もあります。


例えば、歯茎の炎症や口内炎、歯並び、歯が抜け落ちたためなどが原因で舌を出しっぱなしにすることがあります。


また、これに伴い食欲が減退したり、口の中を気にするような行動が見られるときには動物病院へ連れていきましょう。

4.4 体温調節のために犬は舌を出す

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暑い日に犬が舌を出しっぱなしにしている場合、これは過熱を防ぐための体温調節行動です。


特に、犬が過度にパンティング(浅く速い呼吸)している場合、熱中症のリスクがあるため、冷静な対応が必要です。


犬を涼しい場所に移動させ、新鮮な水を提供するなど、過熱を防ぐための対策を行いましょう。

5. 犬が舌をちょっと出すとき

一方で犬が舌をちょっとだけ出す行動には、いくつかの心理的な背景が考えられます。


これは、単にリラックスしている時の無意識な動作であることもあれば、何らかの感情を表現している場合もあります。


この項目では、犬が舌をちょっと出すときの心理について詳しく解説します。

5.1 リラックスや安心感の表れとしてちょっとだけ犬は舌を出す

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犬が舌を少しだけ出している時、それはリラックスしている証拠であることが多いです。


特に、犬が安心している場所や状況でこの行動が見られる場合、犬は快適な気分でいると考えられます。

例えば、飼い主のそばでくつろいでいる時や、寝ている時に舌を出すことがあります。

5.2 興奮や期待感の表れとして犬はちょっとだけ舌を出す

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犬は、嬉しい時や何かを期待している時にも、舌を少し出すことがあります。


例えば、散歩に行く前やおやつをもらう前に、犬が舌をちょっと出してペロペロと舌なめずりをすることがあります。


この行動は、犬が興奮していることや、何か良いことが起こることを期待していることを示しています。

5.3 緊張や不安のサインとして犬はちょっとだけ舌を出す

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犬が舌をちょっと出している時、それが頻繁に起こる場合や、その他のストレスサイン(例えば、震えや落ち着きのなさ)と併発している場合、緊張や不安を感じている可能性もあります。


特定の状況や場所でのみこの行動が見られる場合、それはその環境が犬にとってストレスフルであることを示しているかもしれません。


舌をペロッと動かす動作が素早いため、気づきにくいこともありますが、飼い主は犬が安心できるような環境を整えることが重要です。

6. 犬が舌なめずり(ペロペロ)をする理由

犬が舌なめずり(ペロペロ)をする行動は、さまざまな理由で行われます。


これは、単なる習慣や感情の表現である場合もあれば、健康上の問題や不安の兆候であることもあります。


ここでは、犬が舌なめずりをする代表的な理由について解説します。

6.1 食べ物や匂いへの反応として舌を出す

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犬は食べ物や匂いに対して非常に敏感であり、食べ物の近くや美味しそうな匂いがする時に舌なめずりをすることがあります。


これは、食べ物を期待している反応であり、特にご飯の時間やおやつをもらう時によく見られる行動です。

6.2 ストレスや不安のサインで犬は舌を出す

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一方で、犬が舌なめずりを頻繁に行う場合、それはストレスや不安を感じているサインであることもあります。


特に、見知らぬ人や他の動物に対して緊張している時、あるいは病院に行ったり、騒がしい場所にいる時にこの行動が見られることがあります。


このような状況では、犬が安心感を得るために舌なめずりをしている可能性が高いです。


また神経質な子は例えば動物病院などストレスが大きくなる場所で舌なめずりをする子もいるという報告もあります。

6.3 犬の健康上の問題によるもの

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犬が頻繁に舌なめずりをする場合、口腔内の問題や消化器系の異常が原因であることもあります。


例えば、歯茎の炎症や歯の痛みや口の中に腫瘍があるとき、または胃の不快感などが原因で、犬が口の中を気にする結果として舌なめずりを行うことがあります。


このような場合、他の異常行動が見られる場合は、速やかに獣医師に相談することが推奨されます。

7. 犬が舌を出して寝る理由

犬が舌を出して寝る行動には、いくつかの理由があります。


これは多くの場合、リラックスしている状態を示していることが多いですが、場合によっては健康上の問題や習慣が影響していることもあります。


以下に、犬が舌を出して寝る理由を詳しく解説します。

7.1 リラックスしているサイン

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犬が舌を出して寝ているのは、リラックスしている証拠であることが一般的です。


犬が完全に安心していると、舌をしまい忘れたまま眠りに入ることがあります。


これは、犬が周囲に危険を感じず、快適に休んでいる状態を示しています。

7.2 犬の舌の筋肉の緩みによるもの

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一部の犬では、舌の筋肉がリラックスすることで、舌が自然に口の外に出たままになることがあります。


特に高齢の犬や、短頭種の犬(パグやブルドッグなど)においては、舌を完全に口の中に戻すことが難しくなることがあります。


これにより、寝ている間に舌が外に出たままになることがよく見られます。

7.3 犬の口の構造や健康上の問題によるもの

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また、犬が舌を出して寝ることは、口腔内の構造や健康上の問題に関連している場合もあります。


例えば、歯の配置や歯茎の問題、口の中の炎症などがある場合、犬は舌をしまうことが不快で、結果として舌を出したままにすることがあります。


また、過去に口腔内の手術を受けた犬や、特定の神経系の異常がある場合も、このような行動が見られることがあります。

7.4 過熱や体温調節によるもの

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犬が暑い環境で寝ている場合、舌を出して体温を調節するための行動であることも考えられます。


特に夏の暑い日や、暖かい部屋で過ごしている時には、舌を出して熱を逃がそうとすることがあります。

このような場合は、犬の寝る環境を涼しく保つことが重要です。

8. まとめ(犬が舌を出す理由にはさまざまな要因がある)

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犬が舌を出す理由には、さまざまな要因が関わっています。

リラックスした状態で舌を出すことから、健康状態に問題がある場合まで、飼い主として理解しておくべきポイントが多く存在します。


犬が舌を出しているかどうかよりも、舌の色の方が重要である場合が多く、特に紫色の場合にはいち早くの対応が必要です。


また、精神面によって犬は舌を出すこともわかります。

犬が舌を出している=リラックスしている

このように考える人が多いですが、実は逆の不安を抱えている場合に下を出す場合もあります。


私達飼い主としては、どちらの場合もあることを知っておけば、犬の行動と状況をよく観察すれば違いが分かるようになります。


参考資料:Dogs Overheating: Signs, Symptoms, & Prevention

参考資料:How To Read Dog Body Language

参考資料:What Are Those Black Spots on a Dog’s Tongue, Anyway?

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