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【ペットフード販売士が解説】犬のご飯の量や回数はどれくらい?何時にあげればいいの?

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この記事では犬のご飯の量や回数、最適な時間について、ペットフード販売士が解説します。


子犬の成長に合わせたご飯の量や回数、シニア犬に対してのご飯の量や回数、また犬がご飯を食べない理由とその対策についても詳しく説明していきます。


愛犬の健康と食生活にお役立てください。

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記事を書いた人:PetFriends.jp店長 篠本

ペットフード販売士

1. 犬とご飯

1.1 犬にとってご飯を食べるとは

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犬にとってご飯を食べることは、ただお腹を満たす以上の意味があります。


犬は私たちと同様に、バランスの取れた栄養が必要であり、それぞれの成長段階や健康状態に応じた適切な食事が必要です。


まず、犬のご飯に含まれる栄養素はエネルギー源であり、活動に必要な力となります。

たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミンなど、様々な成分が彼らの体を健康に保ち、成長や回復をサポートします。


特に、子犬の成長期には、適切な量と質のたんぱく質が必要であり、骨や筋肉の成長に欠かせません。


また、シニア犬になると、消化能力や代謝が落ちるため、エネルギー源としての脂質の割合を減らし、良質のたんぱく質を含む食事へと変更することが推奨されます。


ただし、腎機能と心臓血管系も衰えてきます。

必要量を超えるたんぱく質の処理が出来なくなってくるので、たんぱく質の量を増やせばいいのではなく、「良質の」たんぱく質を与えることが大切です。


このように、犬のご飯を選ぶ際には、犬の年齢、体重、活動量、健康状態を考慮することが重要です。


例えば、活動的な犬や働く犬種は、より多くのエネルギーを必要とするため、エネルギーの高い食事が適しています。

一方で、家でのんびり過ごす時間が多い犬や肥満傾向にある犬は、カロリーを控えめにした食事が適しています。


また、犬がご飯を残す場合は、それは何らかの問題があるサインかもしれません。


食事の量が多すぎる、好みに合わない、あるいは健康上の問題が隠れている可能性があります。

犬にとってご飯とは、単にお腹を満たすだけでなく、犬の健康を支える基盤となっているのです。

2. 成犬のご飯の基本

2.1 成犬のご飯の量の決め方

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成犬の健康と活動レベルに合わせた適切な食事量をどのように決定するかについて詳しく解説します。


【成犬の食事量を決める基準】

1. 体重と活動レベル

成犬の食事量は、主に体重と活動レベルに基づいています。

活動的な犬や大型犬はより多くのカロリーを消費するため、それに応じて食事量を増やす必要があります。

一方で、小型犬やあまり活動的でない犬は、比較的少ない食事量で足りることが多いです。


2. 年齢と健康状態

年齢も食事量に影響を与えます。

成犬期を迎えた後も、老年期に入ると代謝が落ちるため、食事量を少しずつ調整する必要が出てきます。

また、特定の健康問題がある犬は、その状態に応じた特別な食事が必要になることもあります。


3. フードの種類

使用しているドッグフードの種類によっても、必要な食事量は変わります。

高カロリーのフードは少量で足りることが多いですが、低カロリーのフードや生食を与えている場合は、より多くの量が必要になることがあります。


ドッグフードには給与量が書かれています。

これは1日あたりの量になります。

給与量の表に書かれている数値に幅がある時には、犬の体重と給与量と比例させて1日量の目安を割り出しましょう。


【食事量の調整方法】

体重や体形の定期的なチェックを行いましょう。

決めた給与量を与えていても、年齢や犬種や運動量、個体差によって体重の増減があります。


これは子犬期やシニア期にもいえますが、定期的に肥満度チェックを行い、今の食事の量で多いのか少ないのかを調整し続ける必要があります。


参考: でぶ犬がかわいい。犬のボディコンディショニングスコア(BCS)で肥満度チェック!愛犬の肥満度を簡単にチェックする方法

2.2 成犬の一日のご飯の回数は

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成犬の一日のご飯の回数については、犬の健康状態、年齢、活動レベルに応じて適切な頻度にすることが重要です。

一般的に、多くの成犬は1日2回の食事が推奨されますが、これは犬のサイズやエネルギーの必要量によって異なる場合があります。


小型犬は消化器官が小さいため、少量の食事をこまめに与える方が良いことがあります。

そのため、1日2回の食事が一般的です。


大型犬は、1日1回の食事でも構いません。


ただし食事の回数が少ないと、お腹が空いて一気にガツガツ食べるために、食事に喉に詰まりやすいため、小型犬は最低でも1日2回、状況によっては3回がお勧めです。

大型犬も1日2回が最良でしょう。

2.3 成犬のご飯の時間は

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成犬のご飯の時間に決まりはありませんが、適切な時間に食事を与えることで、犬の消化や代謝に良い影響を与えます。

ここでは、成犬にご飯をあげる最適な時間とその理由について解説します。


成犬にご飯をあげる理想的な時間は朝と晩です。

成犬のご飯の時間に決まりはありませんが、大切なことは等間隔で与えるということです。


例えば、朝と昼だと、昼の次が翌朝となり時間の感覚が大きく異なります。


それよりも、朝の7時、夜の7時だと12時間間隔で与えることができます。

このように、1日2食であれば12時間、1日3食であれば8時間間隔で与えるのがベストです。


仕事とかでなかなか難しいご家庭もあるかもしれませんが、出来るだけ定期的に与えるようにしましょう。

3. 子犬のご飯について

3.1 子犬のご飯の回数は3回?

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生後3ヵ月から1歳までの幼年期には急速に成長するため、適切なご飯の回数と量を確保することが必要です。

また子犬の消化器官はまだ発達途中であり、一度に多量の食事を消化することが困難です。


そのため1日3回の食事を推奨しています。

3.2 子犬のご飯の量

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子犬の食事の回数は成犬に比べると多いものの、パッケージに記載されている1日に決められた量を3回に分けるということは変わりありません。


むしろ子犬期は良く食べる傾向が強くなるので、あげすぎに注意するようにしましょう。

3.3 子犬のご飯の時間

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子犬のご飯の時間は、子犬は成長期にあるため1日に3回の食事を推奨することは述べました。


大切なことは成犬と同じで与えるタイミングをできるだけ等間隔にするということです。

1日3食であれば8時間間隔で与えるのがベストです。

3.4 子犬のご飯をふやかすのはいつまで?

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子犬が母乳から離乳し始める時期は、個体差はありますが通常は生後約4週間から6週間頃から始まります。

この目安となるのは、乳歯が生えはじめるタイミングです。

他にも舌がすぼまっている状態から平らな状態に変わっていれば、離乳食を始める時期の目安ともなります。


その際に、まずはふやかしたドッグフードを導入します。

この方法は、まだ子犬の消化器官がまだ発達途中で、固形食を直接消化するのが難しいために行います。


そして、これも個体差があるものの生後約8週間から12週間ごろから徐々にふやかしたドッグフードから、ドライフードに移行していきます。


この際に注意することは、少しずつ水分量を少なくすることです。

それによって、ふやかし具合を徐々に減らしていきます。


このようにして10日間ほどかけて完全にドライフードへ移行します。

その移行期間で固いフードを嫌がった時には再びふやかし、何度も繰り返すようにします。


合わせて便の様子を確認するようにしてください。

便が緩すぎる時は、消化不良を起こしている可能性があります。


消化器官が未発達の仔犬が消化しやすいようにすること、もう一つは、一気に飲み込んだ時に喉に詰まらないようにすることです。


【ふやかしたご飯の提供方法】

1.高品質で子犬用に特化したドッグフードを選びます。これは、成長に必要な栄養素をバランス良く含んでいるためです。

2. ふやかし方:ドッグフードを温かい水で15分から30分ほどつけてふやかします。(熱湯は栄養素が壊れるため必ずぬるま湯にしてください)

3. 残った水分にも栄養素が残っていますので、それも与えてください。


ふやかしたご飯のメリットは歯や消化器官が未発達の仔犬が消化しやすいようにすることです。


また成犬においても、一気に飲み込み喉を詰まり易い犬の場合には、喉に詰まらないようにふやかした食事にすることは有効です

4. シニア犬のご飯について

4.1 シニア犬のご飯の量の決め方

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犬のシニア期の食事は基本的には成犬期と同じです。

パッケージに書かれている年齢に相応した量を与えましょう。


しかし、気を付けるべきことは定期的な体重測定と体調チェックです。

毎年1回以上は動物病院で定期検査を受けることをおすすめします


そして、それに合わせた食事の質と量を考えなければなりません。

特に犬のシニア期は食事の質に焦点を与える必要があります。


シニア犬の死因の多くは、腫瘍、心不全、腎不全です。

シニア期になると消化能力や代謝や筋力が落ちるため、良質のたんぱく質を含む食事へと変更することが推奨されます。


たんぱく質を増やすと、筋力に有効ですが腎臓や心臓に負担がかかります。

そのため量を増やすよりも質を高めるようにしましょう


シニア犬用のドッグフードもありますが、必ずしもシニア犬専用のドッグフードでないといけないという訳ではありません。


しかし、噛む力が弱くなりなかなか食べなくなるケースもあります。

その時は、ドライフードをふやかして与えるか、半生フード、ウェットフードを与えるのも良いです。


特にシニア期は飲水量も減るので水分の多いウェットフードはお勧めです。

4.2 シニア犬の一日のご飯の回数は

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シニア犬の一日のご飯の回数に関しては、成犬期と同じ2回で構いません。


しかし、消化器官の機能が低下し、消化吸収にも時間がかかるため、一日の食事の回数を3回、場合によっては4回に分けても構いません

4.3 シニア犬のご飯の時間は

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シニア犬のご飯の時間の注意事項は、これまでと同じように与えるタイミングをできるだけ等間隔にすることです。


1日2食であれば12時間間隔、1日3食であれば8時間間隔、1日4食であれば6時間間隔で与えるのがベストです。

5. 犬がご飯を食べない原因と解決策

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犬がご飯を食べない原因は様々で、単に好みの問題から健康上の問題まで幅広くあります。ここでは、一般的な原因とそれに対する解決策をご紹介します。


【犬がご飯を食べない原因と解決策】

1. 食欲不振の一時的な問題:ストレスや環境の変化、ワクチン接種後など、一時的に食欲が落ちることがあります。

犬のストレスサインとして、あくび、目をそらす、震える、吠える、噛みつくなどがあります。

ストレスが原因で食べない時には、ストレスの原因を取り除いてあげれば時間がたてば食べるようになります。

飼い犬が増えた、環境が変わった、散歩に行っていない、留守時間が増えたなど、犬にストレスが増えていませんか?

心当たりがある場合にはストレスを発散させてあげましょう。


ワクチン接種後によることが原因の場合には時間が経てば回復します。

回復しない様であれば動物病院へ連れて行きましょう。


2. 食事の好み:人間と同じように好みが変わったり、特定の食品に飽きてしまったりすることがあります。

この場合は違うドッグフードを与えるようにすると犬の食欲が増す場合があります

またドッグフードを変えないにしても、犬のふりかけのようにトッピングすることで回復することもあります


3. 健康問題:歯や歯肉の問題、消化器系の疾患、内分泌系の疾患など、様々な健康問題が食欲不振の原因となることがあります。

病気が原因となると心配になりますよね。

食べないだけではなく、水を飲まない、下痢や嘔吐をしている、元気がないなどの症状もある場合は、何かしらの病気が疑われますので動物病院へ連れて行きましょう


4. 年齢による変化:特に高齢になると自然に食欲が落ちることがあります。

シニア犬の場合は、消化器官や味覚器官の衰えによって食が細くなったり、歯が抜けることでドッグフードを食べづらそうにしていたりすることもあります。


対処法としては、ドッグフードを変えてみる、トッピングして味と臭いを変えてみる、ふやかして与えてみる、ウェットフードに変えてみるなどがあります

6. まとめ(愛犬のご飯について)

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犬にとってご飯は単に空腹を満たすものではなく、健康を維持し、生活の質を高めるための重要な要素です。

犬の成長段階や健康状態に応じた適切な食事を提供することで、長寿につなげることができます。


31歳という驚異的な世界最長寿の犬は、長寿の秘訣として食事に関して与える前に必ず食べ物を水に浸して、ほとんどの調味料を取り除き与えていたそうです。


それだけ、犬にとっても健康と食事は深く関係していることが分かります。


今回は大きく分けて子犬期、成犬期、シニア期に分けて説明を行いました。


いずれにおいても大切なことは、定期的に体重や健康管理をして愛犬の状態をチェックしながら犬の食事の量や質、回数を変えていく必要があります。


特にシニア期に入ったら、QOLという言葉が大切になってきます。

QOL(Quality of Life)とは、「生活の質」と訳され、個人の健康状態、心の満足度、物質的な満足度など、生活全般にわたる幸福感や満足度を示す指標です。


これは人間のみならず犬においても同じことが言えます。


特にシニア期に入ったら、犬も年に1回は定期検診を行い、QOLを高めていくことも意識すると良いでしょう。


参考: 共立製薬株式会社【犬編】第3回:各時期に必要な栄養 

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