目次
1. はじめに
「狼爪」をご存知ですか?
これは「ろうそう」と読みます。
英語では「dewclaw」(デュークロー)と言います。
犬を飼っているけど狼爪を見たことがない方も多いのではないでしょうか。
私も初めて気が付いた時は、動物病院で診察を受けている時でした。
この狼爪とは何でしょうか?
どのような機能があってケアはどうすれば良いでしょうか?
犬の爪を伸ばしっぱなしにしていませんか?
今回は、狼爪を含めて犬の爪に焦点を当てて解説します。
1-1. 犬の狼爪とは?
狼爪に気が付かない飼い主さんが居る一方で、「何か生えている?」このように気が付くものの、何なのかが分からない飼い主さんもいるようです。
狼爪は他の指の爪と離れており、他の4本の指より高い位置についているからです。
そのため、何か出来物があると感じられる方も多いようです。
この犬の狼爪ですが、いわば人間の親指のようなもの。
ほとんどの犬は前足に狼爪を含め5本の指に爪、後ろ足には狼爪が退化してしまって無くなっており4本の指と爪があります。
狼爪は犬種や個体差によっては小さくあまり目立たないこともあります。
ちなみに、猫にも狼爪が見られますが猫は基本的に前足にしかありません。
このように狼爪は犬にとっての健康や安全に大きな問題をもたらすものではありません。
ただし、ケアが必要な場合や、異常な成長をしている場合には注意が必要となります。
次の項目では、狼爪の役割について詳しく見ていきましょう。
1-2. 犬の狼爪の役割
狼爪がどのような役割を果たしているのかについては、実ははっきりとした答えは得られていません。
しかし愛犬をよく観察していると、特に長いものをかじっている時などに、前足の狼爪を上手に使っていることが分かります。
身体を掻いてるときなども前足の狼爪を使っている姿を見かけます。
狼爪は、犬が狼だったころの名残であると言われており、シベリアンハスキーなどは後足にも狼爪があります。
またノルウェイジアン・パフィン・ドッグは指が6本あり、狼爪が2本ある珍しい犬種です。
なお、うちの子には狼爪が無いという方もいるかもしれません。
個体差があるので、小さい犬もいます。
また長毛の犬でしたら毛の中に隠れているかもしれないので、よく探してみてください。
それでもない場合には、犬種標準(スタンダード)というものがあり、ブリーダーさんによってはこれに則った形で生まれて直ぐに狼爪を切除した可能性があります。
2. 爪が伸びすぎると
狼爪を含めて犬の爪が伸びすぎると、それによって犬自身にいくつかの問題が生じる可能性があります。
爪が伸びすぎた場合の影響について解説していきます。
2-1. 関節の負担が大きくなる
犬の爪が長くなると、歩行時に爪が地面に触れやすくなります。
滑った際に関節に負担を与える可能性があります。
また、肉球が地面に接地しづらくなるため正しい歩行の姿勢が取りづらくなることから、関節に不自然な負担がかかる可能性があります。
長期的には、犬の足や腰へのダメージが蓄積し、関節の健康問題を引き起こすことがあります。
2-2. 爪が折れる
爪が伸びすぎると様々な場所に引っかかりやすくなり、何かに引っかかった際に爪が折れやすくなります。
爪が折れると、折れた場所によっては感染のリスクが上がるだけでなく、痛みを伴います。
また折れなくても巻き爪のようになる可能性もあります。
2-3. 狼爪が伸びすぎるとどうなるか
散歩が多い犬にとっては通常の爪は地面などに擦れるため、それで削れていくこともあります。
しかし狼爪は、通常の爪とは異なる位置にあり、地面に触れることが少ないため、自然に削れることがほとんどありません。
このため伸び放題となり、巻き爪となり皮膚に巻き込まれるリスクやカーペットや服、セーターなど様々な場所に引っ掛けてケガをしてしまうリスクがあります。
3. 犬の爪切り方法
犬の爪切りは飼い主にとっても犬にとってもちょっとしたストレスになることがあります。
しかし、定期的な爪切りは犬の健康を守るために非常に重要です。
正しい方法と注意点を把握して、犬に安心感を与えながら爪切りを行いましょう。
3-1. 爪を切る頻度
犬の爪の成長スピードは、犬種や年齢、個体差などによって異なります。
そのため定期的に爪の状態を見ながら行いますが、一般的には1ヶ月に1回程度の爪切りを目安にしてください。
3-2. 爪切りに必要な道具
爪切りの道具は大きく分けると3種類に分かれます。
まず、共通して言えることは、必ず犬用の道具を使いましょう。
犬と人間は爪の構造が異なるため、兼用はNGです。
【ニッパータイプ】
ハサミに似ているので、初心者さんには使いやすいです。
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【ギロチンタイプ】
プロのトリマーさんが使うタイプ。
切れ味が良いので短時間で終えられるため、ワンちゃんのストレスは少なくて済みますが、簡単に切れるので慣れていない方には難しいです。
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【電動ヤスリタイプ】
削る様に行うために初心者にも安心して使えます。
ただし、音に怖がるワンちゃんもいるので、徐々に慣れさせていく必要があります。
次にその他必要な道具を紹介します。
【ヤスリ】
ニッパータイプやギロチンタイプで爪切りを行った場合には、引っ掛かりが無いようにヤスリで整えます。
せっかく爪を切っても角が立っていたりして傷をつけたり、カーペットなどに引っかかったりしないようにしましょう。
人間でも爪切りしたのちに、ヤスリで引っ掛かりが無いように整えますよね。
同じことです。
【止血剤】
もし爪の中の神経や血管を切って出血してしまったら、しばらく清潔なコットンなどで抑えるか、止血剤を使いましょう。
通常は1〜2分圧迫していると止まります。
それでも出血が止まらなければ動物病院へ行きましょう。
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【バリカン】
せっかく爪を切っても、足の裏の毛が伸びていると滑ってしまいます。
バリカンで足の裏の毛もカットしましょう。
3-3. 爪の切り方
①まずは平行に切りましょう。
爪の奥には血管が走ってる組織があります。
ここを傷つけないようにします。
明るい場所で横から見るなどすると血管の組織部分は薄く赤く見えます。
②次にサイド側を斜めに切ります。
この際も奥の血管を傷つけないように注意します。
③逆サイド側を同様に斜めに切ります。
この際も奥の血管を傷つけないように注意します。
④角ばっている切り口をヤスリなどで滑らかにします。
この際も奥の血管を傷つけないように注意します。
3-4. 爪切りを嫌がったら
犬が爪切りを嫌がる場合、無理に切ろうとすると、怪我をするリスクがあります。
まずは、犬が爪切りを受け入れる環境を作ることが大切です。
爪切り前に軽いマッサージをしてリラックスさせる、おやつを用意してご褒美としてあげるなどの工夫をしましょう。
また慣れさせるためにも、一気に全ての爪切りを行うのではなく、1日1本ずつなど慣らすように行うことも効果的です。
3-5. 動物病院やペットサロンに任せる
自宅での爪切りが難しい場合には、専門家に任せるのも一つの方法です。
動物病院やペットサロンでは、経験豊富なプロのスタッフが犬の爪を適切に切ってくれます。
お店によって値段が異なりますが相場は500円~1000円ほどです。
我が家でも基本的にはカットに行った際にペットサロンのプロにお任せし、それでもケアが必要な時に自宅で爪をカットするスタイルにしています。
4. まとめ
犬の爪切りは、愛犬の健康や快適な生活のために欠かせないケアの一つです。
特に狼爪は他の爪とは異なる位置にあるため自然と削れることが無いので、伸び放題となりやすく注意が必要です。
しかし、爪切りは犬にとっても飼い主にとってもストレスとなりがちです。
定期的にドッグサロンや動物病院へ通っている人はプロに任せるのも手の一つです。
犬の爪の成長スピードや状態は、その犬の健康状態や日常の活動量、そして犬種や年齢によっても変わります。
定期的な爪のチェックと適切なケアを心がけ、愛犬との生活をより快適に過ごしましょう。
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