愛犬がぶどうを食べたら絶対にダメな理由を知っていますか?
今回の記事では、犬にとってぶどうがなぜ危険なのか、中毒症状や対処法について解説します。
あなたの愛犬を守るために、ぜひご一読ください。
目次
1. 犬にぶどうはダメ!その理由と注意点
1.1 犬にとってぶどうがダメな理由とは?
私達人間にとってぶどうは簡単に手に入り身近な果物で、好きな方も多いと思います。
しかし、犬にとってぶどうは絶対にダメです。
ダメな理由は、中毒症状を引き起こす成分が含まれているためです。
具体的な成分は現在の研究では特定されていませんが、ぶどう摂取により犬の腎臓に大きなダメージを与え、最悪の場合、腎不全に至り死亡することが知られています。
そのため、一切ぶどうを摂取させないようにしましょう。
1.2 犬にぶどう中毒が引き起こす症状と報告例
ぶどう中毒が引き起こす症状は、嘔吐や下痢、食欲不振、尿量の低下などが挙げられます。
症状が重篤になると、急性腎不全など腎臓が損傷を受け死亡する例もあります。
アメリカでは、GwaltneyBrant氏らがぶどうやレーズンをを大量に食べた後に急性腎不全を発症した犬10例を 2001年に紹介し、イギリスでもレーズンを食べて急性腎不全を発症した犬4例が報告されました。
その後2005年にアメリカの同じグループで43頭の発症犬をまとめた報告がなされ、ブドウやレーズン摂取の危険性が世界的に認識されるようになった経緯があります。
日本でも体重2.5kgのマルチーズが,種なし小ブドウ約70グラムを食べた5時間後から始まった嘔吐と乏尿を訴えて来院し、治療をしたものの、ぶどう摂取4日後に死亡したという症例もあります。
また、どのくらいのぶどうの量であれば大丈夫かハッキリと分かっておりません。
1884年に設立されたアメリカの犬の登録および品種標準を管理する非営利団体American Kennel Clubでは、ブドウやレーズンを 1 個食べるだけでも致命的になる可能性があると伝えています。
そのため、万が一ぶどうを口にしてしまった時には早期発見、早期対処が重要です。
参考: 日本獣医師会「ブドウ摂取後に急性腎不全を発症して死亡した犬の1例」
1.3 犬を腎不全に至る危機!ぶどうの危険な成分
これまでも述べたように、ぶどうの危険な成分は、犬に腎不全を引き起こす可能性があります。
どのような成分が悪影響をあたえるのでしょうか?
農薬、殺虫剤、重金属、カビ、ビタミンDの類似物質、ぶどう由来の未知の成分など色々憶測はされているものの、残念ながら中毒を起こす具体的な成分は未だ特定されていません。
ただ、ぶどうの摂取によって犬の腎臓にダメージを与えることは確認されています。
腎不全に至ると、犬の命にかかわることがあるため、ぶどうは犬にとって絶対に与えてはいけません。
2. ぶどうを食べてしまった愛犬への対応策
2.1 犬がぶどうを食べて急性症状が出た場合
愛犬がぶどうを食べてしまった時の対処法は、まずその量や種類、摂取時からの経過時間を把握することです。
そして腎不全や急性の症状が現れる可能性があるため、すぐに病院へ連れていくことが肝心です。
急性症状としては、尿の量が少ない・出ない、嘔吐、下痢、食欲不振、腹痛、無気力、脱力感、異常な静けさなどが挙げられます。
なかでも尿の量が少ない・出ないは特徴的です。
病院では検査や治療が行われ、点滴や催吐処置(食べたものを吐かせる)、胃洗浄などで対処されることが一般的です。
催吐処置は素人には難しいので、自分で行うよりも病院に急いで連れて行きましょう。
3. 愛犬のぶどう中毒の予防法と注意事項
3.1 飼い主ができる食べ物取り扱いの工夫
愛犬のぶどう中毒を予防するには、まずはぶどうやその加工品を愛犬から遠ざけることが大切です。
家族全員がぶどう中毒の危険性を理解し、犬に与えてはいけない食べ物の一覧を作成しましょう。
また、愛犬が食べ放題ではない食べ物についても注意喚起を行い、家族全員で協力しましょう。
対策には家族以外の人にも伝えることが重要です。
特に、犬を散歩させる際や訪問者がいる場合には、食べ物を与えないように伝えましょう。
飼い主ができる食べ物取り扱いの工夫として、以下の方法が挙げられます。
・食べ物を出す場所は愛犬の手が届かない高さにすること
・ぶどう以外にも犬に危険な食べ物を遠ざけること(チョコレート、玉ねぎ、にんにくなど)
・ゴミ箱に食べ残しを入れる際は、蓋がしっかり閉まるタイプを選ぶこと
・ 飼い主が食事をしている際は、愛犬を別の部屋で待機させるなどの工夫をすること
愛犬の健康を守るためにも、飼い主がしっかりとした対策を講じることが大切です。
3.2 犬のぶどう以外の食べ物に関する危険情報
愛犬の健康を考えると、ぶどう以外にも危険な食べ物があることを知っておくことが重要です。
例えば、チョコレートは犬にとって非常に危険です。
その理由は、チョコレートに含まれる成分テオブロミンが、犬の体内で代謝されにくく、過剰摂取によって中毒症状を引き起こすためです。
その他にも、 玉ねぎやニンニク、キシリトール、 アボカドなどが危険な食べ物として有名です。
愛犬の健康のため、飼い主はこれらの食品の摂取を避けることをしっかり把握しておきましょう。
3.3 犬はぶどうジュースや加工品の摂取は大丈夫?
ぶどうジュースや加工品の摂取に関しても、犬にはダメです。
ぶどうやその加工品に含まれる成分が、犬の腎臓にダメージを与えると考えられています。
具体的な理由は定かではありませんが、腎不全や症状の発症が報告されています。
そのため、愛犬にはぶどうジュースや加工品を避けることが必要です。
犬が誤って摂取してしまった場合は、速やかに獣医に相談し、適切な処置を行うようにしましょう。
4. まとめ(愛犬の健康を守るためにぶどうはダメだと知っておこう)
今回は犬にとってぶどうが絶対にダメな理由について解説しました。
犬にとって危険な果物や食物は腎不全や中毒、アレルギーなどさまざまな症状を引き起こします。
私達飼い主として、これらの危険性を理解しておき、愛犬に安全な食事を提供することが大切です。
ぶどうは人間にとって美味しい果物ですが、犬には危険な食べ物です。
万が一、愛犬がぶどうを食べてしまった場合、早急に獣医師へ相談し適切な処置を受けるようにしてくださいね!
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